夢小説→長編

□偉大なペン様シリーズ
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嫌がらせのような大量メール
差出人は鬼道・佐久間・源田・雷門・等
受信した瞬間携帯がフリーズとか初めて(一斉に送りすぎなんだよ)
内容は全て一緒
【練習試合があるから見に(こい)(来てください)】
アタシが拒否るって分かってるからなのか
源田のメールには
【来たらクレープ奢る】
と書いてあった
流石オカン 娘の扱い慣れてるわ

仕方なく ペン様を頭に乗せて(定位置)いざ雷門へ
弟は寮生活の為アタシ一人である
親?新婚気分で旅行中(たまに電話がなるくらい)





『久々だな…』





雷門についたは良いが
弟に迎えに来てもらう約束だったので仕方なく
正門にもたれて待つことにした

数分後頭の上にいるペン様がアタシを叩く
…地味に痛いから





『なに?』




ペン様の見ている方向を見ると





孝「ねぇちゃん!ペン様も久々だな!」





息を切らし近づいてきたのは
弟 孝(コウ)
雷門中1でサッカー部員 である
っても 最近事故った為補欠(自転車で派手にやったらしい)





『おせぇ』



孝「ぅ…ごめん」





待たせて悪いと思っていたからなのか
お気に入りのメーカーの紅茶を渡された(分かってたならやらなきゃ良いのに)





『試合は?』



孝「帝国待ち」



『さいか』





アイツ等 自分達から頼んどいて遅刻か
だらだらしながら グラウンドに着いて
アタシに気付いた円堂と風丸が近付いてきた





円堂「律!応援に来てくれたのか!」



『嫌がらせメールにより仕方なくな』





アタシが帝国学園の生徒だと知っているのは
円堂と風丸と弟のみ
混乱を招かないため言わなかったのは策
まぁ、おいおいバレると思うけどね
アタシからすればどうでも良いけど






『遠くから見とくよ』



円堂「ベンチで見ないのか?」



『暑い』



風丸「律は相変わらずだな」





風丸はため息をついて言った
これがアタシなんだ。変わるはずないでしょ

木陰に腰を下ろして帝国が来るのを待つ事にした
数分後 どでかい車とサッカー部員とレッドカーペット

カーペットを踏み 出てきたのは帝国学園サッカー部





『相変わらずの派手好き』





クァと鳴くペン様はアタシの頭から降りて膝の上に座っていた
胡座をかいて 頬杖をつく

キョロキョロと何かを探すサッカー部(円堂の話を聞いてやれ)
バチッと鬼道と目があった
ニヤリと笑った顔が腹が立つ…
ペン様が居るにも関わらず話しかけてこないのは

…考えるに 後ろに立っている豪炎寺修也の存在
この木陰に座って正解だったな


試合は一方的なものだった
帝国は手加減なしにボールを選手目掛け蹴りあげる
背後にいる豪炎寺修也は小さく舌打ちした





『…行かないのか?』



豪炎寺「…俺はもぅ」
『妹の為か?』
豪炎寺「っ!?」





何か言いたげな気を纏う豪炎寺修也
視線はグラウンドに向けたままで続ける





『妹の事故は自分の所為?どんなけ自意識過剰?』



豪炎寺「お前に…何が分かる!」
『わかんねぇよアホ。でもな…サッカー止めて、ショボくれた顔して見舞いに来られても嬉しくないだろ』





ペン様の頭を撫でて
豪炎寺修也を見る





『一番サッカーしてほしいと願うのは…サッカーの応援をしていた、格好いい兄が見たいと思っている妹じゃねぇのか?』





握りしめていた手に力が入るのが分かった
同時に眼鏡をかけた少年が逃亡
豪炎寺修也の目の前にユニフォームが落ちた

ペン様を頭の上に乗せ、立ち上がり
ユニフォームを拾う





『悔いのないように。じゃないと妹に顔向けできないぞ?』



豪炎寺「……」





無言でユニフォームを受け取り
木陰に隠れて着替える
着替え終わるなり制服を渡されたので無意識のうちに受け取ってしまった(何やってんだアタシ)





豪炎寺「…ありがとう」



『行っといで。格好いいシュートで頼む』



豪炎寺「っ!?…あぁ!」





笑顔でグラウンドに向かう豪炎寺修也の背中を見送り
ふと 車の上にいる影山が視界に入った

野郎 思った通りに動くと思ったら大間違いだアホ

ニヤリと笑うと
上にいた影山が下に隠れた
…逃げな。チキンめ

豪炎寺修也の参加により 帝国学園試合放棄
自動的に雷門が勝利した

後でメール見るのが怖いな

制服を返さないといけないため
渋々グラウンドに足を進める






『…コラ』





ベシッと豪炎寺修也の頭を叩く
何故か? 公開着替えとか誰が喜ぶのよ
ただでさえ思春期の中学生が大量に居るなかで
何しようとしてるんだ





豪炎寺「っ!?」





涙目になりながら睨まれても怖くない
制服を投げつけ





『豪炎寺修也が露出狂って噂が流れて良いのか?』



豪炎寺「…すまない」



『そう思うなら今後気を付けろ』




コクンッと頷いたのを確認して
さっきからソワソワしてる孝に話をふる





『おめっとさん』



孝「いろいろ聞きたいが…取り敢えずありがとう!」



円堂「律!俺等帝国に勝ったぞ!それよか何で豪炎寺と知り合いなんだ?仲良く見えた…」



風丸「木陰で知り合ったんだろ?」



『流石風丸。どんぴしゃ』





数回会話をして
用事(嘘)があるからと雷門を出た





豪炎寺「待ってくれ!」





後ろから追いかけてきた豪炎寺修也
そりゃそうだろうな





『妹の事、聞きに来たんだろ?理由は本人に聞け。んじゃな』






これ以上豪炎寺修也と関わるのは良くない
呆気に取られているうちにダッシュで離れた

追ってきてないのを確認してから
さっきからブルっている携帯を開くと
源田 から着信がある
…激しく出たくない





『ノーコメント』



源田《いきなりそれか?》



『理由は分かりきってる』



源田《だったら…おぃ!?やめろ!》





向こう方が慌ただしい
次から次へと聞こえる声に
面倒になったアタシは 静かに携帯を閉じた

今日は外で食べるか





(ペン様は豪炎寺修也どう思う?)



(な!?切れてる…お前らな!)
(源田先輩がキレた!)
(ごめんなさい!お母さん!)
(誰がお母さんだぁぁぁ!)
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