chocolate(くろばす)
□宮地清志の災難
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「ねーねー真ちゃーん」
ある日の帰り道、俺はチャリを漕ぎながら後ろにつけたリヤカーに座る緑間に話しかけた。
「なんなのだよ」
相変わらずぶっきらぼうだけど前より声が柔らかくなった気がする。
「俺、いいこと思いついちゃったー」
「言ってみるのだよ」
「明日さー、宮地さんをからかってみねぇ?」
「・・・は?」
「いやさー、宮地さん俺たちが付き合ってること知らないわけじゃん?それを利用してさー。」
「・・・例えば?」
お、珍しく食いついてきた。
「そうだなー。部室でキスしてるの見せつけるとか?」
「嫌なのだよ!(即答」
「えーなんでー?いつもあんな厳しい宮地さんが狼狽えてるとこ、見てみたくねぇ?」
「まぁ・・・見てみたい・・・のだよ」
「じゃぁ明日な!詳しいことはメールすっから!」