macaron(ぎんたま)
□夏祭り
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今日は年に一回の夏祭り。
道端には屋台。隣には浴衣を着たヅラ。
今日はどんな日よりも幸せな日かもしれない。
まさかヅラと夏祭りにこれる日がくるとは思ってもいなかった。
「なー、ヅラ、ちょっとあそこの屋台でわたあめ買ってきていーい?」
「ヅラじゃない桂だ。迷子になるんじゃないぞー」
まったく。子供じゃないんだから迷子になんかならねーよ。むしろお前のほうが迷子になりそうだわ。
「じゃーお前の分も買ってきてやるからそこで待ってろ」
俺は石の階段にヅラを座らせると、数10m先の屋台に向かって走り出した。