macaron(ぎんたま)
□雨の日
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今日は朝から雨。こんな日は家(万事屋)でまったりしたいところなのだが、何故か今日に限って依頼が入ってる。
今は、その帰り道。なんか雨がヒドくなってきた気がする。
少し歩くスピードを速める。
万事屋までもうちょっと、というところで雨に濡れてびっしょりになった人を見つけた。いつもなら無視するのだが…
なんと、雨に濡れてる人はヅラだったのだ。
俺は慌ててヅラの元に走っていくと、声をかけた。
「おい、ヅラ!」
「銀時?!」
慌てて振り向く。
「こんなびっしょりになって…なにしてたんだ?」
「子猫が捨てられてたから…寒そうだったし」
そういえば懐が膨らんでる。あそこに子猫を入れてるのか。
それにしても…なんかエロい。前髪は濡れて額に張り付いてるし、着物がへばりついて体の線がはっきりわかるし、若干透けてるし。
「?」
じっと見てる俺に気づいたのか、首をかしげる。
「可愛っ…いやなんでもない。こんなとこで濡れたままいたら風邪ひいちまう。行くぞ!」
ヅラの手を掴んで走る。
男同士で相合傘をしてるせいで、たくさんの視線を感じる。
まー俺は気にしないし、ヅラと相合傘できることのほうが嬉しいけどな。
そんなことを考えているうちに万事屋についた。
「ただいまー。」
返事がない。
「新八ー、神楽ー、いないのかぁー?」
やっぱ返事がない。
「リーダー達、出掛けたんじゃないのか?」
「あ、そういえば・・・。お妙が熱だしたから2人で看病に行くとか言ってたな・・・。ま、とりあえず風呂入ってこいよ。着替えは俺の着物でもいいか?俺同じやつ何枚も持ってっから」
ヅラはコクリと頷き、「じゃあ、ちょっと借りる」というと、小走りで行った。