‡story2
□恵みの雨
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月日は流れ、マリアも進級した雨の降るある日
「うーっ…は、はぁ…んんんっ!!」
「ラクス、頑張れ!!」
「ママ頑張って!!」
キラとマリアが見守る中、ラクスは必死にいきんでいた
キラの手を痛い程に握り、涙を溢すラクスにマリアまで涙を浮かべる
「ママ…パパ、ママが…っ」
「うん…ママ、今頑張ってるんだ
僕達はマリアの弟が産まれるのを応援しよう?」
キラの言葉に大きく頷き、まだ見ぬ弟に頑張れ、頑張れと応援する
「…おぎゃぁっ!おぎゃぁ、うーっ」
分娩室に響き渡る産声に誰もが安堵の息を吐く
「おめでとうございます、元気な男の子ですよ」
柔らかなタオルに包まれラクスの腕に渡された幼い我が子
「…っ…産まれてくれてありがとう…
皆、あなたを待ってましたわ…」
涙が滲んで、マリアを出産した時を思い出す
「マリア、マリアの弟ですわ…」
「マリアの弟…ずっと、会いたかった…
マリアが守ってあげるからね…」
キラに抱えられ視線を合わせ、泣いて願った大切な弟の頬を撫でる
「うー…だぁ…」
キュッと小さなふくふくした手がマリアの指を握る
「ラクス、ありがとう…本当に、幸せだよ…」
潰さないように気を付けながら大切な家族を抱き締める
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