‡story2

□恵みの雨
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数ヶ月後、キラが帰宅すると食卓には豪勢な料理が並んでいた

何か記念日だったかと内心冷や汗を垂らしながら必死に記憶を辿る

(なんだ!?何があったっけ…
誕生日はまだ先だし…マリアの進級ももう少し先…
どうしよう…今日に限って何も買ってないとか、僕間が悪すぎだろ!!)

スーツを脱ぎ着替えながらカレンダーを盗み見るも何も書いておらず
ヒントが見付からない、と焦る

「……えっと…ごめん、今日って何かあったっけ…?」

どれだけ記憶を辿っても正解は出ず
肩を落とし申し訳なさそうに問いかけると、ラクスとマリアが顔を見合わせクスクスと笑う

「今まではありませんでしたが…
今日から、記念日ですわね」

「え?どういうこと?」

「ママ、早く、早く!
パパにも教えてあげて?」

首を傾げるキラに、マリアが急かすとラクスが何やらラッピングされた箱を見せる

「キラ、開けてみてくださいな?」

「………え…これ…」

箱のリボンをほどき、蓋を開くと
中には真新しい母子手帳と
『祝!ご懐妊』とデコレーションされたショートケーキが入っていた

目を見開き、ラクスを見るとニッコリと微笑んで頷かれる

「今日、病院に行ったら3ヶ月だそうです…
二人目の赤ちゃん、授かれましたわ…」

「っ!ありがとう!!
ラクス、良かった、本当に良かった…っ」

ラクスを抱き締め、何度もお礼を告げるキラの瞳は涙が滲み、鼻を啜る
マリアも念願の兄弟に上機嫌だった

その日、三人は遅い時間まで新しい家族の到来を祝った

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