‡story2
□恵みの雨
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夜、マリアを寝かし付け夫婦の寝室に来たラクスにキラは眉間にシワを寄せ言い淀む
「ラクス…あの…」
「……マリアの兄弟について、ですか?」
「っ…うん…」
さらりと本題に入るラクスに戸惑いつつ、小さく頷くキラに
ベットに乗り、隣に座るとそっと手を握る
「キラ、私は…貴方と結ばれたいと願っています…」
「でも!僕は、君にあんなに酷い事をしたんだ…
こうして、心が結ばれただけで幸せ、なんだよ」
「キラ…確かに、貴方は私に酷い事をしましたわ…
でも、今はこうして、愛し合っています…
だから、きちんと、キラと愛し合って望んで一つになりたいのです…」
ギュッと手を握るラクスになんと返せば良いのかわからず戸惑ってしまう
「でも…だけど……」
上手く言葉の見付からない様子のキラにラクスも困ったように微笑む
「キラが、私に気を使ってこっそり処理をなさってるのも知ってます…」
「え!?な、なんで…」
「たまたま、夜中に目が覚めてしまって…キラが居なかったので…
どうしたのかと思って探したら…その…キラのお部屋から聞こえてしまいまして…」
以前キラが自室として使っていた物置は未だにキラの書斎代わりで使われていて
夫婦の寝室や子供部屋から離れているため、キラが仕事をする際に籠る為に、防音になっていた
こっそりと夜中に寝室を抜け出して二人にバレないようにと細心の注意を払いながら処理をしていたキラにとってラクスの言葉は正に寝耳に水だった
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