‡story2
□雨降って地固まる
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三人で暮らし初めてはや数ヵ月
ラクスともようやく和解し、ぎこちないながらも家族として生活出来るようになった頃
キラとラクスはそれぞれに悩んでいた
お互い口には出さないもののそのうち籍を入れられればと考えているのだが
タイミングを計りかねていた
キラとしては下手なタイミングで『籍を入れよう!』と言って
『何を言ってるんですか?』なんて言われたら辛い
ラクスとしては散々拒絶しておいて『籍を入れましょう!』なんて自分からは言えない
そんな事を二人が考えて数週間
マリアがその切っ掛けをもたらしてくれた
「ママー!卒園式のごあんないだってー」
「まぁ、日程決まりましたのね」
幼稚園のバスが停留所にしている公園に着くと
マリアがバスから飛び出して来て抱き着く
マリアももうすぐ幼稚園を卒園し、小学校に上がるのだ
少しずつながら入学の準備をしていたが
改めて卒園式の日程のお知らせが来ると『もうそんな年齢か』とついしみじみ思ってしまう
「後で卒園式と入学式のお洋服用意しましょうね?」
「うん!パパも来てくれるかなぁ?」
手を繋ぎ三人で住むマンションへと向かいながら上機嫌なマリアに微笑む
年少、年中と父親が居なかったが年長組になる少し前にキラと再会した
父の日の似顔絵も張り切って描いていたし、
運動会もキラが来るのが解るといつも以上に頑張っていた
そんなマリアの為にもいつまでも戸籍上は赤の他人なんて状況を打破してあげなくてはと改めて思う
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