‡story2
□にわか雨
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「なあ、あの二人って誰の親!?」
「すっげー…母親は綺麗だし父親はカッコいいよな!!」
近くの席の男子が憧れの眼差しで廊下に居る父兄の噂をしていて
マリアも興味を示し視線を送れば自分の両親で頬が緩む
(マリアのパパとママがかっこよくてキレイって皆言ってくれてる…)
自分の自慢の両親が誉めてもらい嬉しくなり一気に上機嫌になる
授業参観の知らせを貰った日、
『そう言えばマリアちゃんのお家って、幼稚園の時からいっつもお母さんしか来ないよね
お父さん出来たって言うの、ウソだったの？』と言われ
『パパは忙しいからなかなか学校来れないだけだもん！
マリアとママの為にお仕事頑張ってるの!!』と言い返し軽い口論になった
そして、そこから子供特有の『誰の親の方が若くてかっこよくて美人か勝負』という話になった
マリアは勝負なんてどうでも良かったのだが
『父親が出来たなんてウソだ』と言われたのが悔しかったのか
キラも授業参観に来て欲しいとわがままを言ったのだ
まだ休み時間だし、と両親の所に行こうと立ち上がると
周りから両親が来たのかと聞かれ頷く
先日初めて言い合った事もあり、マリアの両親の顔を確認しようと生徒が皆マリアの事を目で追う
「パパ、ママ！」
「あ、マリア、どうしたの？」
「まだ授業は始まってませんのね」
パタパタと皆が噂をしていた両親にマリアが駆け寄った事に驚いていると
二人が優しげな笑みを浮かべて目線が合うようにとしゃがんで親子で話し込む
「うそ…マリアちゃんのパパはカッコいいしママは綺麗…
しかも、若いよね」
「うん…マリアちゃんいいなぁ…
二人ともモデルみたいだよね」
「マリアちゃんも可愛いし…羨ましい…」
生徒だけじゃなく、父兄までもが親子に注目する
そこに担任の先生が教室に入って来て、慌ててマリアが席に戻る
担任の女の先生も父兄の方を確認しようと顔を上げ教室後方を見てキラとラクスを見て頬を赤らめる
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