‡story2
□雨のち晴れ…?
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私は、『マリアと出会う為に生きてきた』のだと
『世界』が私を必要としなくても、
『マリア』が私を必要だと思ってくれる
それがなんて素晴らしい事なのかと、神に感謝すら覚えた
このまま、二人だけで生きて行くと思っていたのに…
再び、出会ってしまった…
彼…キラは、あの時のまま変わらなくて…
ただ、ほんの少し大人になっていた
私の事もすぐにわかり、謝罪したという事はきっと、同じように苦しんだのかもしれないと思った
それでも、許してはいけないのだと、頭が警報を鳴らしていた
このままでは、マリアと同じ瞳に惹かれてしまう…
それは、自分が許せなくなると思った…
なのに、一緒に暮らす事を選んでしまった…
「マリア、キラは…お父さん、は好き…ですか…?」
「う〜?うんっ!
パパ、優しいから好きっ!」
そう、彼は優しすぎた…
私に対しても、マリアに対しても…
期待してしまう。
あの時ではなく、普通に彼と出会い付き合っていたら…
へだたりのない幸せな家庭を築けたのだろうか?
そんな、甘い幻想…
私は、どうかしてしまったのだろうか…
いいえ、きっとマリアの…慈悲の心が私にも影響したのね…
だって、私達を気遣って寒い玄関で仕事する彼が愛しくて…
抱き締めたくなるのだから………
end.