‡story2
□とらわれのみ・参
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姫なんて肩書き、いらない。
欲しいのは皆の愛なんかじゃない…
ただ一人の愛なのに…っ!
「クラインさん、ちょっといいかな…?」
まただ…今月に入って何度目だろう…
「はい、なんでしょうか?」
内心はため息を吐きつつも立ち上がらずに微笑んで問いかける
「あ…えっと…ここじゃなんだから、別の場所に……」
「申し訳ありません、私これから人と待ち合わせておりますの…
ですから、あまりお時間が無いのですが…」
頬に手を当てて本当に申し訳なさそうな表情で告げれば
相手の男子生徒は慌てて謝り、代わりにと手紙を渡される
こんなモノを用意してあるなら初めからコレを渡して帰ればいいのに…
わざわざ人気のない所に呼び出さなくてもいいのに…時間の無駄でしかない……
内心は悪態を吐きつつもニッコリと微笑んで手紙を受け取り、
帰ってからゆっくり読ませてもらう旨を告げ鞄に終い教室を出て行く
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