‡story2

□pets
1ページ/17ページ



「ラクス様っお帰りなさいっ」

「はい、ただいまですわ…キラ…いい子にしてましたか?」

学校から真っ直ぐに帰宅して玄関の扉の前に立つとほぼ同時に扉が開け放たれ
鷲色の髪を風になびかせ、澄んだ紫水晶の瞳を輝かせたキラが飛び出してくる

それを毎日の事、と馴れた様子で扉の風圧で微かに揺らいだ桜色の髪を片手で押さえ、澄み渡る湖面の瞳を細めて微笑を浮かべるラクス

二人の関係は主人とペット。
それでも、孤児で人身売買されていたキラにとってはラクスは主人であり、親であり、姉や友達でもある…そんな特別な相手だった。
また、ラクスにとっても物心付く前に病気で母を亡くし、世界中に支社を持つ大会社の社長で秒単位で動くような父。
家には自分と使用人がいるだけ。
学校でもクラインという名前に媚びを売る者ばかり。友達と呼べるのは片手で足りる程度だった。
そんな最中に出会ったキラはラクスにとってかけがえのない家族で、弟や友達であった。
.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ