‡story2

□雨宿り
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「ふぅ…二人ともお疲れさま
夕飯、今日は何処に食べに行こうか?」

普段から料理をせず外食ばかりだった為、ラクスと再会をして毎日通っている間も色々なお店に連れて行っていた事もあって、尋ねればラクスが顔をしかめて首を振る

「…昨日までは、出先で遅くなってしまうので外食でしたが…
今日は時間があるので、外食では勿体ないですわ…」

「え、いや、でも…僕ご飯作れないし…」

「ママのご飯、美味しいんだよ!
パパも頬っぺた落ちちゃうくらい気に入ると思うの!」

とてとてと足元に近付き、にっこりと微笑んで話すマリアに戸惑いつつラクスを見れば溜め息混じりに頷かれる

「…一人分くらい増えても構いませんわ…
マリアの父親なのに食事は別とはいきませんから…」

それだけを告げ、キッチンに向かったラクスに手料理を作ってもらえるのかと嬉しくなる…

「…キラ、今すぐに近所のスーパーに案内しなさい」

「え?あの…ど、どうしたの?」

直ぐにリビングに戻り眉を吊り上げるラクスに戸惑いつつ問いかければ
どうしたの?じゃありません!と叱られる

「何なんですか、この家は!?
冷蔵庫は空っぽ…冷凍室には氷すらないですし…
だいたい、調味料すら期限が切れているなんて!
こんなものを使った料理をマリアに食べさせられません!!」

ラクスの言葉に、そう言えば最後にスーパーの食品コーナーを見たの何時だっけ…と思い出して青ざめる

慌てて二人を連れて近所のスーパーに向かい食材を買い込み
その日は二人の引っ越し祝いとして、ラクスが蕎麦を茹でてくれ
キラは久し振りの手料理と、賑やかな食卓に瞳を潤ませるのだった


end
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