‡story2

□雨宿り
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初めての休日には朝から赴き、遠出をしないかと誘い
巨大な滑り台が有名な公園でピクニックをした

その時、ラクスがお手洗いに行くからとマリアと二人きりになり
マリアが僕の服を掴みじっと見つめて問いかけてきた

「…キラさんは、パパにならないの…?」

「え…?」

「マリアね、パパがいないの…
それで…ママに、どうしてパパがいないの?って聞いたら困ってたから…
本当は、パパが欲しいけど…言うとママがまた困るでしょ?
でも、マリアは、キラさんにパパになってほしい…
初めて見た時に理想のパパって感じがしたの…
だから、キラさんがパパならいいなってずっと思ってるんだ」

拙い言葉で懸命に話すマリアに胸を締め付けられ、あの時のバカな自分をまた殴ってやりたかった

きちんと、ラクスを愛して、生まれた時からそばにいればこんな事言わせなかったのに、と思うと苦しくなって
そっとマリアを抱き締め頭を撫でてやる

「……僕も、マリアのパパになりたい、な…
マリアのパパにしてくれるかな?」

「うん…っ!
じ、じゃあ…キラさんの事…パパって、呼んでもいい…?」

「勿論…」

にっこりと微笑んで頷いてやれば、マリアは本当に嬉しそうに輝くような笑顔を浮かべる

そして、その日の夕飯の時

「ママ…マリアね、パパとずっと一緒にいたい…
お家でバイバイしたくない…」

「え…それは…」

マリアが僕をパパと呼ぶ度に複雑な表情を浮かべていたラクスは目を見開き戸惑うも暫く無言で悩んでから小さく頷く

「……わかりました…マリアがそう望むのなら…
キラ…宜しいでしょうか?」

「う、うん…僕は二人と暮らせるなら嬉しいけど…
ラクスは、大丈夫なの…?」

トラウマの原因である僕と毎日会っているこの時間でも苦痛だろうに、一緒に住むなど大丈夫なのだろうかと不安になる

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