‡story2

□雨宿り
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「…ラクス…」

「っ…マリア…今日は、マリアにご紹介したい人がいますの…」

「ごしょーかい…?」

そっと声をかければ、微かに肩を震わせながらも
マリアに優しく微笑みかけるラクス
マリアは大きな目をぱちくりとさせてコテン、と首を傾げる

「ええ…キラさん、ですわ…」

「…初めまして、マリアちゃん…
ラクス…君のママの知り合いのキラです…宜しくね?」

「……よろしく、です…」

父親とは紹介しないラクスに合わせて名前だけを名乗り、しゃがんで目線を合わせて
出来るだけ優しく微笑み手を差し出すもマリアは戸惑いラクスの後ろに隠れてしまった

しかし、顔を出して挨拶をしてくれたから完全に嫌われてはいないのだと前向きに思い込む事にする

「…マリアは…私が、人混みが苦手だから
限られた人としか関わって来なかったので…人見知りするんです…」

「そうなんだ…
えっと…マリアちゃん、少しずつでいいから仲良くなれたら嬉しいな…?」

ラクスからの説明に納得して、優しく微笑みかけるとコクン、と頷いて先程までよりもラクスの後ろから出てきてくれる

「…マリア…いつも、そう呼ばれるから…キラさんも…マリアでいい、よ?」

「マリアちゃん…ありがとう、マリア…」

ラクスの服を掴んだまま、躊躇いがちに告げられた言葉に嬉しくてにやけそうになる顔を我慢しながらお礼を告げれば
ふにゃりと、柔らかな笑顔を見せてくれた

それから、公園内の遊具でねだられるままに遊び
夕飯をレストランでご馳走しタクシーで家まで送り届ける頃にはたくさん話をしてくれるようになっていた

翌日も仕事を早く切り上げ、ラクス達の家へと赴くとマリアが目を瞬かせながらも嬉しそうに出迎えてくれた

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