笑い話にもならない

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はぁはぁはぁはぁっ





ヤバイやばいっ!
この状況はヤバすぎるっ




はぁはぁっ



撒いても撒いても増える追っ手にまるで【根】だなと思ったと同時になんの捻りのない表現に自嘲の笑みがこぼれた。走る勢いのままにフェンスを越え隣の建物に飛び移り向かいの非常階段へ移ろうとした、が、



あーあ、ほんと嫌になるよアンタまでいるなんてさ

その建物の屋上に見えた人物に内心舌打ちしつつ意識を集中し、能力を発動する

「どいてよ、アンタと遊んでるヒマはないの」

「残念、それでもコア、遊びたい」

「!? 」


背後からの月明かりに影が被さり振り返るより早く、身体は非常階段にたたき付けられそのまま地面に転がった


「うっ…あぁあっ」


起き上がろうにも視界は歪み、力の入らない右腕はありえない方向に折れ曲がっている、ぎりりと無事な左腕と足に力を込め起こそうとするが、脇腹にはしる激痛にうめき声をだすしかできなかった


コンクリートの破片を踏む音が近づいているとこを知らせてくれるが、痛みで整わない呼吸は脳を酸欠にし処理能力を鈍らせる、


「コア、アナタ、歓迎」
「うっ…、あんたらの仲間だなんて反吐がでるね」
「ただの 駒」

「尚 更だ…よ」



言い付けを守っていたらこんな面倒はおきなかったのに、テレビだったらここで正義のヒーローが登場するけど、現実世界でそんなの期待できるわけない


月明かりに輝く白刃が振り下ろされる空気を切る音と路地裏で爆ぜる悲鳴を微かに捕らえながら視界は暗転した










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