八犬伝

□雷鬼の願い
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「みんなお前が死んでまでも沼藺を生かしたいなんて思ってない!
沼藺だって一緒だと思うぜ?
まぁお前が死んでほしいと思ってるやつはあのくそ坊主くらいだろ?」

くそ坊主…?
あぁ青蘭のことか…。

「沼藺はお前のこと、これっぽっちも恨んでない。
沼藺は…」

そういい、信乃はゆっくりと俺の左胸、つまり心臓の上に手をそっと当てた。

「きっとここで、お前が幸せになることを強く願ってるはずだぜ」

今度の信乃の目は、

真っ直ぐで

凛とした目であった。
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