It's my world

□1話
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それにしても、なんて心地よい場所なんだろう。季節的には春かな。暑くもなく寒くもない、そんな風が頬を撫でた。それにしても一体ここはどこだと立ち上がって周りをぐるりと見渡す。桃の木とうさぎがやけに多いが…とてもきれいな場所だ、空気もいいし。
大分冷静になってきた頭で改めて出来事を順にさぐってみることにした。まず……
屋上で飛び降り自殺をしようとする親友を発見→止めにはいる→助ける→フェンスによりかかる→フェンス崩壊→落ちる→どこか分からない場所にいる。…いや、うん。落ちるまでは理解できるんだけどね、そのあとが理解できないかなー…私。
なんとかなるさ!と心のなかで某アニメキャラクターの真似をしてみるが、知ってる人は少ないと思うのでやめておこう。ちなみにみなさんなんのアニメキャラクターだと思います?まぁとりあえずポジティブに考えることにしてその場に仰向けに大の字で寝そべった。きれいな青空が視界に入る。瞬間、「ニーハオ♪」という声と共に顔に影ができた。
『わぉ、こんにちは。中国人?』
ニーハオの挨拶につい中国人?と口を滑らせてしまい、初対面相手に失礼だったかな、と両手で口を押さえる。逆光によって顔は見えないが声がエr……げふんげふん…………なのできっとイケメンさんだろう。うん、そう信じてる!!ちなみに皆さんが忘れている可能性もあるので確認するが、私は腐女子である←
「いや、中国人っていうか…まぁそうなんだけど、人間じゃないんだよね、僕。」
はて、この人は何を言っているんだろう。しばらく放心してしまい、「もしもーし」と声をかけられ我に返った。
「まぁ君とはお話したいことがいくつかあるから、起きたらどうかな?」
確かに寝たまんまっていうのも話聞く態度としてはあれかな、と思い立ち上がって話を聞く態度をとる。そして相手の顔が視界にはいりつい見とれてしまう。………めっちゃイケメンだ。てかかわいい…。そして
『……耳、右耳に、ピアス………』
そのひとの右耳のピアスをみてなにか思い出しそうになったがおもいだせない…。
「どうかした?」
『ん?えーと…なんでもないです。』
「そう?じゃぁ立ち話もなんだからついておいで。」
そして私は名前も知らない怪しい男についていくのでした。
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