It's my world

□3話
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 閻魔大王はなんというか、とてもいい人だった。話によると一番最初の亡者だとか………すごい年繰ってる………。
「それにしてもトリップなんてすごいね〜」
「呑気に言ってる場合じゃないですよ。生きてる人間がここにいたら皆さんビビって仕事になりませんし何かいい解決策を…」
『あ、それでしたら鬼灯さん。生きてるってことは私たちだけの秘密にしたらどうです?』
「……………それもそうですね…それでは秘密ということで」
と、秘密…とはなったものの私はこれからどうなるんだろう。白澤さんのもとで働かせてもらえたとしても家…アパート暮らし?
お金もないのに?え、もしかしてホームレス状態??
『い、いやだ…………………』
みんなには聞こえない程度の声で呟く。
が、鬼灯さんには聞こえたようだ。「どうしました?」と聞かれる。
『いえ、べ、別にお金もないし住むところもないしきっと私は外で餓死するんだ。なんて思ってませんよ!?』
「思っていることが全部だだもれですね」
「あ、それなら霊歌ちゃん。僕の家で暮らしなよ。お店手伝いたいって言ってたでしょ?」
『え、え、いいんですか?からかってません?さんざん喜ばせたあと「嘘だよw」みたいに!!』
「いや、そんなことしないよ…((汗
霊歌ちゃんがよかったら、だけど。おいで?」
白澤さんが人なつっこい笑顔で私の手をとる。そんな、そんな可愛い顔でそんな事言われたら、断れるわけないじゃんっ!!
あぁ〜やばい顔赤くなってないかな。
『べ、べつにあ、ありがとう…なんておもってないんだから!!////』
「え!?ツンデレ!?」
よし、これで私はのたれ死にしなく「霊歌さん霊歌さん。大丈夫ですか?」
『え?』
「あ、霊歌ちゃん…鼻血!!」
『うえぇえええっ!?なんで!?あ、あぁあっ!!ふ、服がぁぁあ!!!!』
両手で鼻を押さえ、服に血がつかないよう前かがみになって距離をとるが時すでに遅し。胸元が真っ赤に染まっている。
そして更に両手からは抑えきれなくなった血が閻魔殿の床へポタポタと垂れ始めた。
「鬼灯ティッシュ!!」
白澤さんが鬼灯さんにティッシュを要求する。「私はティッシュじゃないです。」と答える声が聞こえ思わず笑うと口から血が出た。
「霊歌ちゃんっ!!?」
閻魔大王が「大変だ!医者だ!!」騒ぐ。
あれ?プール入って鼻から水入った時みたいな感じする。あぁ、そうか…
『げほげほっ……く、口から鼻血がっ!!』
「鼻血!?口から!?」
「閻魔大王うるさい。」
「それより鬼灯ティッシュ持ってこいって!」
「うるさいのがもう一匹いましたね。ちゃんとティッシュ持ってきましたよ。」
そう言ってティッシュをだす鬼灯さん。
あぁぁぁっ!!鬼灯さんまじ天使!!まじ神!!
鬼灯さんが何枚かティッシュをとって近づいてくる。
「両手血だらけでしょう。私が拭いてあげます。」
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