It's my world

□2話
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 チュンチュンと鳥のさえずりで目が覚めた。窓からはやわらかい日の光が差し込み、私は上半身を起こして腕を伸ばす。
なんて理想的な朝なんだ。
そしてよいしょ、という掛け声とともにベッドから降り布団をきれいにするため掛け布団をめくった。するとなかから出てきたのは昨日の……白澤さん。
『びっくりしたぁ…白澤さんか…てかなんで一緒に寝てんの?』
なんて話かけても相手は寝てるので返事なんか返ってくるはずもない。
てゆーか顔きれいだなぁー…無意識のうちにケータイに手が伸び、いつの間にかいろんな角度から白澤さんを撮っていた。あれ?…なんか私変態みたいじゃない?…気のせいだよね、うんうん。
「……ん、」と白澤さんが寝返りをうったことで私は我に返り、パッとケータイをスカートのポケットにしまった。よし、バレてない。任務完了…!
『………てか…私制服のままでねちゃったのか…あれ、そういえば白澤さ………』
だんだんと頭が機能し始め、今の状況を確認する。そして、
『……う、ぎゃぁああああああああああああ!!!!!!!』
女とも思えない叫び声をあげ桃太郎さんの所まで全力ダッシュ。
『も、ももももも桃太郎さん!!!!』
「どうしました?」とすでに起きていた桃太郎さんが部屋から出てきて、私が白澤さんの部屋を指さすとすぐになにがあったか理解できたようで、はぁ…とため息をひとつこぼした。
なんだこの桃太郎さんのやっぱりかてきな顔は………。
「霊歌ちゃんどうしたのー?朝から元気だねー」
『どうしたのーじゃありませんよ!?なんで一緒に寝てるの!?』
「そうですよ白澤様、昨日霊歌さんが寝る前に追い出したじゃありませんか」
「うん、なんか桃タローくん冷たくない?泣いちゃうよ、僕。……うーん、言ったら怒られそうでこわいんだけど…」
『もう怒ってます。』
「あはは、やっぱり?んーとね、昨日霊歌ちゃんに部屋案内したときに窓の鍵あけといたんだw」
『なるほど…頭いいですね、窓から侵入したと………』
「霊歌さん何関心してるんですか……さ、解決したんでしたら朝食にしますよ。」
いいながら朝食の準備を始める桃太郎さん。いいお嫁さんになれるね!!ぐっと親指をたてて桃太郎さんを見ると普通にどうしたんですか?と返された。うん、まぁそうだろうね←
「あ、ちなみに霊歌ちゃん、今日は何もしてないから安心して?」
『…………わかりました。今日中に寝床を探してきます。』
「信用されてない!?」
そんな白澤さんを放置して桃太郎さんの手伝いをしにいく。
『桃太郎さんも大変ですね』
「はいとても、」
「二人とも聞こえてるからね!?」
そして、食事を運び終えみんなが席につく。「いただきます」と白澤さんが胸の前で両手をあわせた。私と桃太郎さんも、白澤さんのあとにつづいて両手をあわせ「いただきます」と声をそろえる。
「あ、そうだ。霊歌ちゃん。食べ終わったら出掛ける準備して?」
『どこかいくんですか?』
「うん、ほら、トリップなんて前代未聞の出来事を天国だけでは解決できないからさ、地獄にも相談?しにいこうとおもって」
『あー…すいません、迷惑かけちゃって…』
「いーよいーよ、かわいい霊歌ちゃんのためだもん。あ、桃タローくん、その間店番よろしくね。」
「あ、はい。」
そんなこんなで私はこれから自分がどうなるのか考えながら桃太郎さんのつくった食事を口へはこんだ。あ、美味しい。
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