novel-1-

□Dear my princess!~Ryoma~
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ガラリ。と重い教室の扉を開けると、本鈴が鳴る直前だというのにも関わらず、クラスメートたちは黒板の前でわいわいと話をしていた。
「じゃあそういうことでいいかな?」
輪の中心になっているのは学級委員の小澤という生徒。
「意義なーし!」と声を揃えてクラスメートたちは手を突き上げる。
目の前にいた堀尾も、その一人。

「ねぇ、何の騒ぎ?」
「あ、越前!お前どこ行ってたんだよ!昼休みから始めるって言ったろ!?」
相変わらずこいつは煩いなと思いながら、もう一度同じ問いを繰り返す。
「別に…。それより何してたわけ?」
「文化祭の話し合いだよ!うちのクラスはお化け屋敷をやるってことと、ミスコンの代表は愛原ってことに決まったからな!」
「ミスコン?」
「何だよお前聞いてなかったのか?今年の文化祭からミス青学コンテストを開催するから各クラス、代表を一人決めろって話だったろ!」
と、ここまで捲し立てられてようやく思い出した。
「それでうちのクラスの代表が…愛原?」

愛原彩華とは同じクラスで男女混合ダブルスのリョーマのパートナー。
確かに容姿端麗で、代表に選ばれるのも当然と言えるだろう。
しかし、彼女の性格的にそういうものの代表になるというのがリョーマには想像できなかった。

「じゃあこれ、生徒会に提出してくるよ。」
小澤がミスコンのエントリーシートを持って教室を出たのと入れ違いで彩華が教室に入ってきた。
その瞬間、歓声が沸き起こる。
突然の出来事にどんな対応をしていいのか分からずにおろおろし始める彩華。すると堀尾が得意気に説明し始めた。
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