短編集その1

□フェアリアの城
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子供が泣きだすと、
「五月蝿い!」
と叫んで子供を拳骨で何回も殴りつけ。
ちょっとぐずっただけでも、蹴ったり殴ったりを繰り返した。
子供が、エルファリアの普通の女性や男性よりも頑丈な両性具有でなかったら、その子は殺されていたに違いない。
仕舞いには、おむつを替えるのも、お乳をあげるのも、しなくなったので。
当時、ロイ様の子孫として黄金の城に越してきた、ケイネル様の奥方様が、毎日赤ちゃんを預かって、息子ケイトと一緒に遊ばせたりしていたという。
そして。
悲劇は、その子が誕生2か月目に起こった。
その子の母セレナの様子がおかしいので、父親であるティユル様は、その子をケイネル様の奥方様に預けようとした。
だが、セレナはそれを、何故か頑なに断ったのだそうだ。
様子が変だと思ったティユル様は、勤務先に着く前に、腕時計型IDでアルジェ族とファリリエル様に電話をし。
セレナの様子を見に行かせた。
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