モブ生活始めました。
□起きたら別世界
1ページ/1ページ
もうマジで仕事辞めたい。
何百回いやもう何千回思ったか分からない。
それでもスマホが報せるアラームに、きっちり覚醒してくれる私の脳ミソ。
ーーーくそぉ、社畜が憎い……
いつものように目を覚ましていつものように準備をしようとした。……が、明らかに昨夜までと様子が違う。
何がって、え、なんか色彩がまずおかしい。
やたら単色だし、てか絵みたいだし、つーか私の身体、顔もアニメのキャラっぽいし………え?まだ夢の中?
いやいや、そんなわけない。仕事しすぎて疲れてんだ。頭とうとうおかしくなったんだ。………とにかく仕事行こう。
てなわけで、どこまでも社畜な私は目の錯覚、とばかりに仕事に向かった。
ーーーって、ええェェェ!?
マンション出てびっくり。
いや、明らかにアニメの世界。
なんか、どっかで見たことあるよーな、ないよーな。
なんだこれは。一体どうなった?夢オチ?いや顔ひねったら痛いし。トリップ?だとしたら進撃の世界がよかった。兵長に逢いたい。しかし、どう見ても作風が違う。
あれ?てか私、この世界に存在してる?
一抹の不安を感じながらとにかく出社。
ーーー会社はある。そしておそらく皆、知った顔。
とまどいながらいつもどおりを装って仕事をこなしていけば、上司も部下もやはり今までどおり。(アニメ化してはいるが)
いや、今までどおりっていうか、むしろ、今までムカツクパワハラセクハラ上司がめちゃくちゃいい上司になっていて、男に媚びへつらって全然仕事をしない新人がめちゃくちゃ出来る新人になっていた。
しかも超ブラック会社だったはずなのに、定時で上がれたし。なにこれ天国かよ。
もはやトリップでもパラレルワールドでもなんでもいい。
私はこの世界(天国)で生きてく。
成瀬 凛、どこの世界だか知らないけど、私はこの世界でモブとして生きようと思う。まる。