死龍の軌跡
□二十七章
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ケント「くっ!」
ケントは剣を振るい敵を切り倒していく。しかし、今は船上戦なので愛馬に乗っていない。それでも海賊には全く遅れをとっていなかった。
ドルカス「大丈夫か!?」
敵の一人を蹴り飛ばして海に放り込んだドルカスは敵船に乗り込みながらもケントを気遣いながら戦った。相棒のバアトルは前の戦いで学習したのか無理して突っ込んでいなかった。
ケント「こっちは大丈夫です。しかし、敵の数がまだ多すぎます。」
実は今日の戦いでは今いる人数の三分の二しかいない。理由は船酔いだった。相棒のセインがいないのも前者である。たいして【黒い牙】は全員が船に慣れている(?)ので人数的にも圧倒的に不利であった。
ケント「ウィル!そっちの魔法使いを頼む!!」
ウィル「了解っす!」
船の高台に上り狙撃にあたっていたウィルが矢を番え戦士の苦手な魔法使いを屠っていく。
ケント「今だ!!突撃する!」
ケントの声を合図に次々に敵船に乗り込む仲間達。しかし・・
「天馬騎士は南側から攻撃しろ〜!!!」
二隻の船だけでなく天馬兵が無防備な船首に集まりだした。さらに予め後ろに乗っていた剣士が自分たちの船に乗り込まれた。
ケント「しまった!」
あそこにはエリウッドや病人をはじめ食糧庫で修理をしているファーガス達がいる。いくら海の猛者でも丸腰では一溜りもない。
ヘクトル「させるか!!」
いち早く駆けつけたヘクトルが降りてきた剣士を斬り伏せた。そして扉の入り口にはオズインが塞がった。
マシュー「あらよっと!」
マストから天馬騎士に飛び移り小刀で騎手を仕留めていくマシュー。更にはアリアが'スライサー'を唱え天馬部隊は総崩れになった。
ドルカス「敵将を叩くぞ!」
一人を切り倒してもう一人を殴って海に落とした。
ケント「アイツか!!」
「くっ!」
敵将の闇魔法に苦戦しながらも
【ザンッ!】
「おのれ・・・だが、最後の・・援軍が・・・。」
敵の言葉通り船尾付近に新たな船が接近していつでも乗り移れる体制でいたがその船にフロリーナが近づいた。そして隣にはリンがいつでも抜刀できるように構えていた。
リン「これで終わりよ!!」
最後の援軍もリン達により蹂躙された。
ファーガス「おう、待たせたな!!さぁて死にてえのは・・・何だ終わっちまったのか。」
最後の援軍を倒し終えた数分後にファーガスが完全装備で甲板に出てきたが既に敵の死体と誰も載っていない三隻の船があるだけだった。