死龍の軌跡

□二十六章
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ガリアス「カハッ・・ここまで追い詰められたのは英雄戦争以来だ。」

独り言を呟くと剣先をリンに向けた。


リン「・・・・・。」

リンは何も言わずに抜刀の構えをとった。
二人は同時に飛び込み猛攻を仕掛けたがガリアスがリンを力ずくで跳ね除け背中を斬った。

リン「っ!」


リンは倒れたがガリアスは再び血を吐き追撃できなかった。


ガリアス「・・・チッ・。」

ガリアスは舌打ちをしながら


リン「何を迷ってるの・・・?」

立ち上がりながらガリアスに問いかけた。


ガリアス「・・・どうしてそう思う。」
リン「この戦いを除けばガリアスと剣の練習は一回だけ。でもなんとなくわかった。あなたは練習でも本気を出せば斬ってしまうからやりたがらなかったのよね。」
ガリアス「何が言いたい。」

ガリアスに初めて動揺の様子が見られた。

リン「同じよ。今あなたと前にやった剣の練習と今私達がやっている内容は。」
ガリアス「どういうことだ・・・。」
リン「あなたが本気なら私達なんて一時間もかからないで殲滅できるはずよ。」
ガリアス「それはお前達が‐リン「何で私達に嘘をつくの?」っ・・・。」

リンはさらに続けた。

リン「私は嘘が嫌いなの!!!だから本当の事を話して。」


ガリアス「っ!」


ガリアスの体が震えだした。



リン「本当は誰も殺したくない。だってエリウッド達を襲った時も誰も死人を出さなかった。」
ガリアス「・・・・・。」
リン「ただ、挑めるか試すだけなら他に手段があったはずなのにどうして皆に嫌われるような手を使うの!?どうして私達を避けるの!?」


暫く黙っていたが

ガリアス「俺は暗殺者であり異邦人だ。」
リン「そんな事知ってるわよ!!!」
ガリアス「それに俺は・・・・」


ガリアスが言いかけた時







       .
リン「あなたが竜なんて関係ない!!!!!」





ガリアス「!!!」

言えた
一年前からずっと溜まっていたことをやっと吐き出せた。

リン「あの時・・・サカで出会ったときからずっと一緒に戦ってきたじゃない。私は・・・いえ皆あなたの正体がわかった後でも変わらなかった。」
ガリアス「・・・っ!。」


そう言うとリンは抜刀の構えをとりガリアスは居合の構えになった。


ガリアス「・・・決着をつけようか」
リン「えぇ・・・。」




暫しの沈黙。




















そして















【キンッ!】




ガリアス「・・・・フッ・・・。」
リン「・・・どうして・・・。」

ガリアスは笑っていた。

ガリアス「剣はすべてを知っているか・・・。お前に心の内を見破られた俺の負けだ。」


【ぶしゃっ!!!】


ガリアスは膝をついて倒れた。
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