死龍の軌跡
□十二章
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「がっ!ラングレン様・・約束の援軍を・・」
敵将と思われる男はリンの一刀に倒れた。
リン「これで・・終わり?」
ケント「・・・・。」
セイン「・・・・。」
勝利したにも関わらず二人の表情は暗かった。
ガリアス「覚悟を決めててもそんなもんだ。」
今度の敵は今までの山賊とは違いキアランの正規兵。キアラン出身の二人には酷だっただろう。
ケント「私は迷いません。ただ、一つ気になることがあります。」
ガリアス「奴らが躊躇いなく襲ってきたことか?」
セイン「おおかた、ラングレン殿に 寝返ったんだろ?いいじゃないか。城に着けばラングレン殿も、手が出せないだろうし。」
ガリアス「違うよ、彼らはそんな理由でお前たちに襲い掛かった訳じゃ・・」
話を続けようとしたときだった。
リン「ラス!!どうしたの!?」
リンの大声でガリアスも声の方を振り返った。
ラス「ぐ、軍師・・・逃げろ・・くっ」
ラスが馬から落ちた。後ろに乗っていたエルクは前のめりに倒れ気絶した。二人は傷だらけだった。いずれも魔法による攻撃。
セーラ「ちょっと、エルク!?何寝てんのよ!しっかりしなさい!!」
あのセーラでさえエルクの異常事態に狼狽した。
ガリアス「おい!ラス!!残りの二人は-??「心配しなくてもここにいるわ」!?」
何もない平原から人が現れた。それと同じくしてドルカスとルセアが傷だらけで横たわっている。
リン「あなたは!?」
??「これこれはキアラン候の孫娘殿。妾はペインというとるにたらないもの。どうか、お見知りおきを」
周囲を警戒していた皆がそれぞれの得物を自分に突き付けられているにも関わらずペインは平静とお辞儀した。
ガリアス「お前だな?四人をやったのは」
ペイン「流石は軍師殿。それにしてもそなたらの兵士は優秀であったぞ。手を抜いたとはいえ妾の攻撃を耐えた。褒美として命だけはとらなかったぞ。」
リン「!!斬る!」
リンが刀を取りペインに抜刀の姿勢を取った。。
ペイン「妾は闇魔法使い、剣は疎い。だから助っ人をたのもをぞ」
ペインとリンの間に魔方陣が浮かび上がった。陣の中央から出てきたのは人間の姿をした亡霊戦士
【ガキンッ】
リン「くっ!」
一撃は亡霊戦士によって阻まれた。
ガリアス「亡霊戦士の召喚・・・お前【サマナー】だな」
ペイン「流石は軍師殿。消すには勿体無いこと」
次の瞬間、ガリアスの周りに沢山の魔方陣が出現した。
ペイン「では、御機嫌よう♪」
ペインが姿を消すとガリアスを囲うように亡霊戦士が10人以上現れた。
リン「ガリアス!今助け【ガン】え?」
リンが助けようとすると何かの障壁に阻まれた。
ケント「まさか、術式!?」
術式には『軍師が倒れるまで誰も出入り出来ない』と書かれていた。
仲間がいるにも関わらずガリアスは孤立してしまった。
ガリアス「下らない・・」
ガリアスは静かに刀を抜いた