死龍の軌跡

□十二章
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リン「見て!ガリアス!山が遠くなってきた・・・随分遠くまで来たのね・・」

ガリアス「そうだな・・・・サカが恋しいのか?」

リン「えぇ・・。」

ガリアス「故郷や大切な人は離れてからその大切さが解るって言うからな 」

俺の故郷はエリス様やマルス達と仲間になってから酷さを実感したが今思うと寂しい気持ちがあった。

ガリアス「しっかし、いつの間にかこんな大人数になったなぁ〜」

リンと旅を始めた当初は二人だけだったのに今や10人を超える部隊になった。

リン「ねぇ、ガリアスは私と一緒に旅にでたこと・・・後悔してない・・・・?」

ガリアスは少しため息をついた

ガリアス「俺は後悔なんてしたことないよ。むしろリンのおかげて沢山の人の会えた。まさに人の縁だ・・」

会った数だけ人の性格は全然違う。だから、人間は面白い。

「そう、よかった・・・それを聞いて安心した」

そう呟くリンの表情は安堵に満ちていた

ガリアス「ただ、一つ不満があるとしたらリンと二人だけで旅が出来ないことだな。」

リン「・・!!??//」

一気にリンの顔は耳まで真っ赤に染まった。

リン「ガリアス!!!!//」

ガリアス「あっ、いっけない!そろそろ出発だ!」

ガリアスの方はいたづらを楽しんだ子どものようにリンから離れた(逃げた)。

リン「・・・・バカっ」

まだ、顔が赤いリンも移動の準備をしようとしたときだった。


ニルス「リンさま!!避けて!!」

茂みの中から出てきたニルスが大声で言われた。


リン「なんですって!?」

慌てて刀を抜くが周りには敵の気配が全くない。周りにはニルスがいた草むら以外隠れる場所はなく伏兵が潜む様子もない。

ニルスの声を聞き付けて何人かやって来たがそれでも敵はやってこなかった。

そこにニニアンの声が加わった

ニニアン「リンさま!!動いては駄目!!」


ガリアス「!!上だ!!」

次の瞬間

【ズゴッ!!】

リンが歩こうとしたであろう場所には一本の矢が突き刺さっていた。

だが、ただの矢ではない。リンの身長と変わらないぐらいの高さがあり、突き刺さった地面は半径3mにわたり抉れていた。

ラス「!!もう一本来るぞ!」


全員が上空に目をやるとさっきと同じ矢がすぐ近くのガリアスを狙っている。

シルフ「兄貴!!にげ-ガリアス「真似するなよ」え?」

ガリアスの左拳に力が入ると


ガリアス「オラァ!!!!」

【ドゴオォン!!!!】

杭に近い矢をガリアスはパンチだけで叩き落とした



シルフ「す、凄い・・」

セイン「嘘だろ!?【シューター】の矢を素手で叩き落としたのかよ!?」

皆唖然とするなかリンが口を開いた

リン「【シューター】って何!?」

説明はケントが行った

ケント「離れた敵を攻撃することが 可能な兵器です。弓を操るアーチャーにしか 動かすことができません。」

セイン「こんなのを持ち出してくるなんてラングレンも本気だな。」

シューターは準備がかかるのが弱点だが、設置すれば敵軍にとっては迷惑極まりない。

ガリアス「一応矢に分類されるからフロリーナは特に気を付けろ。」

フロリーナの返事が聞こえるとガリアスは直ぐに皆に指示を出した。

ガリアス「【シューター】は細かい動きが出来ない。素早いやつが囮になるか隠れれば問題はない!」

走り回りながら的確に指示を出した。

ガリアス「以上だ!後は皆の武運を祈る。散れ!!」

戦いが始まった。

ガリアス「セイン、ケント。」

皆が散々になるなかで二人を呼び止めた。

セイン「はい、」

ケント「何でしょう?」

ガリアス「覚悟は出来てるか?」

ここはキアラン領。今までの山賊とは違い今回の相手は・・

セイン「嫌ですよガリアスさん。俺はリンディス様に忠誠を誓ってるんですよ。」

ケント「私もセインと同様です。リンディス様の敵ならば容赦なく討ちます。」

二人の目は純粋に真っ直ぐ向いていた。ガリアスも納得したようで

ガリアス「ならいい、行け、」

二人が持ち場に戻るのを確認すると

ガリアス「マシュー、いるなら出てこい・・」

さっきまで誰もいなかった所に焦げ茶色のマントを漂わせながらマシューが現れた。

マシュー「いや〜、流石ガリアスさん。こういうのも朝飯前ですか。」

マシューの言葉を軽く流して本題に入った

ガリアス「例の件奴らのことも含めて、頼んだぞ。」

マシュー「もちろん、任せてください!」

いつの間にかマシューは消えていた。


そして部隊が動くなかガリアスは魔道書を取り出した

ガリアス「嫌な雰囲気だな・・」
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