死龍の軌跡
□十二章
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ガリアス「・・っ!?」
馬の上で寝ていた ガリアスが突然飛び起きた。
ケント「どうかしましたか?」
ガリアス「いや・・何でもない・・。」
頭を軽く押さえるとそのまま馬から降りた。
ガリアス「ケント、俺はもう大丈夫だ。だからお前が乗れ。」
ケントと馬を交代するとガリアスは周りの地形を見渡した。
ガリアス「随分と遠くまで来たな。」
リン「えぇ、アラフェン候の言っていることも気になるし出来る限り早くキアランに着きたいの。」
気になることとはキアラン候の病気のことだろう。だが、あえて口には出さなかった。
ガリアス「一旦、小休止をとる。」
強行軍中の皆にとって小休止は唯一の楽しみである。
シルフ「ふあー、疲れた〜」
近くに泉があったのでシルフは唯一の軽く息抜きをしていた。水分補給を済ませると水面に写った自分を見た
シルフ「あれ?僕・・」
おかしい、兄貴と会う前の自分は・・
フロリーナ「どうしたの?」
シルフ「Σうわあぁ!!」
背後にいたフロリーナに完全に気づかなかったようだ。
フロリーナ「ご、ごめんなさい!驚かせました!?」
シルフ「べ、別に・・//」
シルフの顔は薄く赤色に染まっていた。
フロリーナ「シルフは・・・この旅は辛くないですか?」
シルフ「え?」
フロリーナ「あっ・・シルフが一番年下だから大丈夫かなって・・」
一番の年下というのに引っ掛かったがフロリーナが自分の事を心配してくれるだけでも嬉しかった。
シルフ「あ、ありがとうございます//」
恥ずかしがりながらシルフはその場を後にした。
フロリーナ「そう言えば・・シルフにはどうして緊張しなかったのかしら・・。弟が出来たからかしら?」
残念ながらシルフの思いは空回りのようだ。