死龍の軌跡
□序章
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嘗てドルーア帝国には『断絶鬼』と呼ばれる暗殺者がいた。当時としては珍しい剣と闇魔法の使い手でありドルーアの暗殺者として90年間働いた。『断絶鬼』は誰が何時名付けたのかは誰も知らない。ただ彼は老若男女関係なく殺し続け死体は必ずと言っていいほど体の一部が綺麗に断たれていた。
そして暗黒戦争時、たった一人でアカネイヤ、オルレアン、マケドニヤ、といった数多の人間を血祭りにあげ当時のアリティア王国の国王コーネリアを惨殺した。そしてマルス率いる対ドルーア帝国派軍に幾度も立ちふさがりマルスを苦しめた。しかし、激戦の末に『断絶鬼』は敗北。その後、一年間、彼の噂を聞くものはおらず誰もが死んだものと思い込んでいた。
だが、彼は思いもよらぬところで目撃される。彼はアリティアにいた。更に彼自身が暗殺したコーネリア王の娘エリスの専属護衛となっていた。彼とエリスの間に何があったのか史実では何も書かれていないが紛れもない事実である。
そして今・・・・
??「ハァ、ハァ、」
藍色の髪に赤いバンダナを着けた青年が次々に敵を倒していく
「いたぞ!ガリアス覚悟!!」
一人の兵士が槍を突こうとすると
ガリアス「邪魔だ!」
青年は一瞬で斜めに斬り首と左半身を吹き飛ばした
「おのれ!!かく【ザシュ!!】」
兵士が言い終わらないうちにガリアスと呼ばれた青年が兵士の首を突き刺した
「ぁ………あぁ…。」
呻き声とともに首からどす黒いものが流れ出す
ガリアス「さよなら」
ガリアスは冷たく言うと一気に払い兵士の首が落ちた
また、敵を斬ろうとした時、
??「やったぞ〜ー!!!!マルス様がメディウスを討ち取ったぞ〜ー!!!!」
突然一人の兵士が自軍の勝利を伝える声が聞こえた
それをきっかけに敵は武器を投げて投降したり逃げ始めた
ガリアス「そうか、アイツやりやがったか」
そしてガリアスは刀を収めてマルスのいる神殿に目をやった。暫くするとマルスが高々とファルシオンを掲げて叫んだ。
マルス「みんなありがとう!!みんなのおかげで、僕はメディウスを倒すことができた」
いつものようにマルスは自分の力ではないと謙遜している。いつもだったら、ガリアスは「少しは自信を持て」とか言うのだが
ガリアス「アイツ、なんであんな悲しい顔をしてるんだ?」
だが、それはガリアスにとっての新たな幕開けでもあった。