死龍の軌跡
□十六章
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キアランの相続争いから一週間が経った。
アラフェンの傭兵部隊のうち無事に帰れたのは20も満たなかった。しかも生き残った者は口を揃えて「竜にやられた」と言っている。
だがリキア同盟盟主ウーゼルは兵士の証言を幻覚とみなしキアラン方の戦略によりここまでの被害が出たという考えに至り不法侵入をして戦争を行ったアラフェン侯爵家を取り潰すという判決になった。
だが、キアランの戦争に関わった者たちは忘れはしないだろう。竜の攻撃で抉れた地面、ブレスにより一部が焼けた森、なによりその竜はみんなが知る身近な人物であることに・・・
リン「そう・・・そうよね・・」
ケント「申し訳りませんリンディス様・・・やはり彼の行方は依然として掴めません。」
ラングレンが思った以上に圧制を強いてなかったなかったことによりキアランの内政は順調に進んだ。それにより荒れた大地の復興に力を注ぐことができそれもほとんど終わった。
エルク「では僕たちはこれで失礼します。」
城門前でエルクとセーラがリンに別れを告げていた。
セーラ「リン!!もしアイツを見つけたら首輪つけてでも引っ張ってくるから!!だから今度は離しちゃだめよ!!!」
いつもはそこで溜息をつくエルクだが今回はセーラの言う事に頷いた。
セーラ「じゃあね!マシューにも伝えとくから!!」
手を振りながら二人はオスティアへと向かっていった。
マシューとラスだが相続争いが終結すると同時に姿を消した。これはケントから聞いたことだが揃って「見つけたら引っ張ってくる」と言ったそうだ。
リン「み、みんなどうして?」
リンは幸せ者である。