死龍の軌跡
□十二章
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キアラン城にて
ラングレン「サカの小娘の分際で・・わが領土に踏み込みおって!!」
シャーマンの格好をした女からリンディスの生存の報告を聞いたとたんラングレンは顔を真っ赤にして怒鳴り付けた
??「まあ、そう仰有らず。今まで山賊に任せたのが原因でございましょう。しかし、今度は正規兵でございましょう。」
ついさっき怒鳴られたにも関わらず女の表情はとても落ち着いているように見えた。
ラングレン「だがペインよ、あの小娘には少々頭の働く軍師がいるそうぞ。いくら正規兵とて闇雲に行けば負ける可能性もある。」
ペインと呼ばれた女は軽く笑った
ペイン「ホッホッ、ならばこのわらわが参りましょう」
ラングレン「そうか、それはありがたい・・。並ばさっさと行け!」
ペイン「仰せのままに・・。」
ペインは転移魔法で消えた。いなくなったのを確認するとラングレンはため息をついた。
ラングレン「おのれ・・」
「失礼します!」
気がつくとラングレンの背後に兵士の一人がいた。
ラングレン「何だ?」
「シューターの準備が整いました。ヨーギの方にも直ぐにリンディスの元に向かわせます。」
ラングレン「そうか・・」
さっきまで怒鳴り付けていたのとはうってかわりラングレンは疲れた表情を見せた。
「いかがなさいました?」
ラングレン「何故わしはこんなことをしておるのか・・」
「・・・・あの女が来てからラングレン様はすっかり変わられました」
ラングレン「・・・・。」
「このままではキアランは乗っ取られます。どうせなら-ラングレン「言うな!」
ラングレンが凄みのある声ではなち兵士は黙った。
ラングレン「それと例の毒だがもっと量を増やせと言われた。だから解毒剤も増やすように伝えておけ。くれぐれもばれぬようにな!」
「はっ!」と返事をすると兵士はくるりと背を向け走り去った
ラングレン「兄上・・マデリン・・すまぬ・・」
リンやガリアスはおろかキアラン候も知らない所でこのような事が行われていたとは知るよしもなかった。