記念文

□二人の記念
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六月某日、公式ストーカー基、六道骸は朝からウキウキ気分で沢田家へと向かっていた。


(クフフ♪今日は記念日です!!)
お目当ての相手に会いに行っていた。
しかもスキップで…。

その姿は一言で表すと…
―――気持ち悪かった…………。

「ツナさーん!!」
幻覚で姿を消しいきなり現れる骸に部屋の主である少女は冷たい目でナッポーヘアーを見た。


「消えろ」
死ぬ気の炎を掌に燈すと怒りの的にと投げつけた…。

「ぎゃーー!!やめてください!!」

澄みきった綺麗な炎は房へと見事命中した。

「え…現実でいたの。
てっきり夢かと…まぁいいや…消えて。うざい」

「酷いですよ!ツナさん!!今日は記念日じゃないですか!!」
クフフフと気色悪く笑うナッポーにツナは小首を傾げた。

「なんでお前が知ってんだよ…」
不審そうな顔をしたツナにナッポーはまた笑う。

「勿論!!だって君のカレンダーに紫色で丸が書いてあるではないですか!!」

「いや、そうだけど…。お前キモイよ。あの印は…!」
此奴は何か勘違いをしている!と超直感で察知した。

誤解を解こうといまだに被っていた布団を剥ぐと房が気色悪く動く。

「まさか、ツナさんがこんなに記念日を覚えていてくれたなんて…!!
嬉しいです!!今日は僕がツナさんを見かけた大切な日なんですからクフフ」

調子こいた果実頭を彼女は一発殴った。

「お前との記念日なんか知るか…!!それ私関係ないじゃん!!たまたま時期が重なっただけだろ!」

ドカン!鈍い音が小さな部屋に響くとガラリと窓が開いた。

「何、南国果実が僕のツナの部屋に居るわけ?」
早く出ていけ、と窓縁に足を掛けながら侵入する恭弥にツナはにこりと笑う。

「どうして、アヒルが!!…グハッ!!」
房が付いてる頭を踏みながら嬉しそうに抱き着くツナ。

「あ、骸。勘違いしてるかも知れないけど、今日私と恭弥が付き合って一周年記念だからだよ」

笑いながら爆弾を落とすツナに骸は砂となって消えた。



「ツナ早く着替えな、出かけるんでしょ」

ふんわりとなかなか見せない貴重な笑顔にツナは素直に頷いた。


大切な記念日は祝いたい…

(これからもよろしくね恭弥)
(勿論、ずっと祝おうね、ツナ)

小さく交わす口づけは君と過ごした大切な記憶へと変わる…。
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