椿の華が咲き落ちる
□残った物は恐怖だけ
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「「ただいま」」
二人揃って何時もの様に鍵を開けて家に入っても母達の返事はない。
今は母も父も海外の方へ仕事に出ているので家にはいないのだ。
「今日の晩御飯何にするー?」
「納豆」
「え、何?リコ嬢の料理?
了解、直ぐにリコ嬢に連絡s「俺が悪かったです、すみませんでしたっ!!」
即答で断ってきた順兄とリコ嬢にチクってやろー、頼むそれだけはやめてくれっ!なんて軽口をたたき合いながらリビングへ向かう私達の足は、家につけた事で随分と軽くなっていた。
今日の晩御飯の事を考えながらドアを開けたら、そこには何故か
カラフルな男性達が転がっていましtバタンッ
「…私は何も見ていない」
「お、おい
俺達家間違えたか?
ここ俺等の家だよな?」
光の速さでドアを閉めた私達は断じて悪くないと思う。
「え、何今の人達
いつの間に順兄等身大の戦国武将フィギュア買ったの?
何か鎧的なの着てたよ?」
「んなもん買うかダァホ
流石の俺も等身大は自重するっての
つーか中に子供交じってたよな?」
「え、ホント?
じゃあ子連れの戦国武将ファンな泥棒?」
「それはない
どうやったらその考えに行き着くんだよ訳わかんねぇよ」
「イヤ今の状況が一番訳わかんねぇよ
何で私達自分の家でこんな緊張状態味合わなきゃいけないのさ」
「…取り敢えず
確認するか?」
「え、本気?」
順兄の言葉に一瞬固まってしまった私だけど、確かに今の状態のまま放置する訳にはいかない。
確認するしか無いのか…とうなだれていた私にしょうがないだろと声をかけてくる順兄の頬が引き攣っているのは、やっぱり自分も確認なんかしたくないからだろう。
でも、どうせ警察に戦国武将らしき人達が家で倒れてますなんて言っても信じてもらえなさそうだし、自分達でなんとかするしかない。
「よし、しょうがない
じゃあせーので開けよう、ね?」
「おう、せーのな」
「裏切りっこなしだかんね!」
「わかってるっつーの!」
「それじゃ、改めて…」
「「せーのっ!」」