BLACK BIRD

□第七話
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カ「実沙緒ーーっ」

マ「あれ、烏水先生?」

『行っちゃった』

実「補修のプリント渡されてたの」

なんとなくふわふわしてる今日の実沙緒に、カナとマナは少し沈黙した。

『どうしたの?二人とも』

カ「・・・・・・」

マ「実沙緒さぁ、彼氏できた?」

実「えっ、え?な・・・」

カ「だって来月クリスマスなのに彼氏ほしーとか言わないしさ」

マ「ぽわーーっとした顔しちゃって今もその人のこと考えてたんでしょ?」

実「今・・・・・・」

まるでゆでだこのように顔を真っ赤にした実沙緒は、態度から「彼氏できました」と言っているようなものだ。

実「なんでわかるの〜〜っ」

カ「わかるよすごく」

『今の反応はそうだもんね』

カ「で、誰?」

マ「どこのどんな人?」

実「え・・・っと、近所に住んでた幼馴染のお兄ちゃん・・・?」

マ「写メないの?プリとか」

実「なっないよっ」

『最近再会したばっかりだもの。写真あんまり撮る人でもないからないよね』

カ「じゃあ撮ってきて。近いうちに絶対見せてよね」

カ「てか雛は知ってたんだね」

『そりゃあ姉妹だもの』

慌てる実沙緒に対し、わくわくしている雛だった。


―――放課後―――

実「・・・どうしよう・・・」

『なんとかなるわよ』

実「変装とか・・・してくれないだろーな・・・」

『あっ、みさ・・・・』

       ドンッ

実「あ・・・」

「いてーなネエチャン!」

前「すんまセン」

「あっ、おじさんこそごめんよー」

前「雛ー、姫さーん」

実「前鬼さん、豊前さん。あ・・・ありがとう。助かりました。でも護衛なんてもう」

豊「だめですよ。姫を狙う妖はそこら中にいるんだから。今のは違うけど」

『そうだよ。希世ちゃんみたいなのもたくさんいるんだから』

前「なんやボーッとして。考えごとでもしとったん」

実沙緒は何かを思いついたようで、ハッと顔を上げた。

実「後でお屋敷行ってもいい?」

前「ええよー。今日は皆おるし」

『もしかして実沙緒・・・』

実「なに?」

『・・・匡ちゃんが嫉妬しそう・・・』

実「?」
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