BLACK BIRD
□第一話
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世の中は
奇怪なモノであふれてる
フツーの人には見えないだけで
―――第一話―――
カ「実沙緒!何固まってんの?」
見える体質の原田実沙緒は、現在目の前にいる烏天狗にくぎ付けである。
カ「ねぇってば」
実「あ ごめん何?」
はっとして目の前の烏天狗をはたく。
カ「あんた明日誕生日でしょ?なんか欲しいものある?」
実「カレシ。カレシ!みんなずるいよ」
マ「2回も言わなくていーから。わかってるから」
カ「こないだ合コンでメアド聞かれてたじゃん」
実「あーあの人、教えてないよ」
先日の合コンで会った男性を思い出して言った。
『付き合えるほど実沙緒と気が合わなそうだったものね』
実「雛!」
突然会話に入ってきたのは実沙緒の義姉妹の雛だ。
マ「雛も明日誕生日だよね」
カ「プレゼント何がいい?」
『ん〜何でもいいよ?』
カ「じゃあお菓子でもいい?」
『いいよ♪』
マ「ねぇ次移動だよ。行こう」
―――放課後―――
実「はい!1日早いけど誕生日プレゼント」
『ありがとう!!じゃあ私も』
実「ありがとう!今年は何が入ってるのかな?」
『後でのお楽しみだよ♪・・・それにしても最近増えてない?』
実「やっぱり?そうだよねぇ」
二人の誕生日が近づくにつれ、増えていく周りの妖たちに不安が募る。
見える・触れる・襲われるの三重苦なのに払うすべを持たない実沙緒と、見えて触れて血を流すと異常に妖が集まってくる。雛は、これから自分たちが無事に生きていけるのか心配なのである。
『まぁ気にしないようにしよう!実沙緒はこのあと伊佐山先輩のとこだよね』
実「そうだよ」
『んじゃ私はお母さんに頼まれてたもの買いにいって来るよ』
実「うん。じゃあね、また後で」
『じゃあね〜』