BLACK BIRD
□第六話
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ギシ
僧「実沙緒。おまえのね、封印を解く鍵はあいつの、血を流す姿を見ることだよ」
ドシュ
実「やぁ・・・っ」
僧正は容赦なく匡を傷つけていく。対して匡は当主なら避けられるはずの攻撃も甘んじて受けていく。
僧「全ての記憶が戻るのは、【きょうちゃん】が死ぬ時だ」
実「や・・・」
僧「匡がいた記憶自体封じたはずなのに少しでも覚えてたなんてな。さ、次は腕の一本でも落そうか」
実「やめてやめて嘘つき!!」
実沙緒は僧正の話をこれ以上聞きたくないとでも言うように遮った。雛は僧正がこちらを向いていない隙に太郎を治療し始めた。
実「・・・私が、あなたと約束したなんて嘘。私はあなたに懐いたりなんかしない。好きになったりしない・・・!」
匡「・・・・・・祥。おまえは自分が当主になれなかった理由が」
僧「わからないね。こんな結界一つ破れない奴より力では俺が上だ」
匡「祥!」
『力がどうこうじゃない。力があったって臣下たちに信頼してもらえなきゃ意味がない!』
匡「おまえは以前、教練と称して太郎たち兄弟を半殺しの目に遭わせた。あれで臣下の心が離れた。実沙緒もそういう本性を見抜いていたんだ。おまえの横恋慕は叶わねぇよ!」
僧「くっ・・・。馬鹿言うなよ。俺はこんなの好きでもなんでもない」
ギシ
僧「惚れるおまえの気がしれないよ」
バラッ
僧「ただそうだな。おまえの目の前でこいつを犯して殺して食うのは最高に楽しいだろうな」
匡「祥・・・!」
僧「心配しなくても匡、その体じゃどうせ最後まで見られないよ」
実「太郎ちゃん・・・お願い。お願い私を」
匡「・・・・・・やめろ。やめろ、太郎!実沙緒、実沙緒―――・・・」