BLACK BIRD

□第一話
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   ―――翌日―――


実「ぜぇ・・・はぁ・・・」

『実沙緒大丈夫?私が何とかできればいいんだけど・・・』


今日は実沙緒と雛の誕生日なのにいつも以上に妖が集まってくる。


実「大丈夫じゃないけどがんばる」

『せめてゴミ捨てぐらい手伝うよ』

実「ありがとう」

『放課後実沙緒の言ってた人のところに行って相談してみよう』

実「そうだね」


実沙緒は昨日、自宅の向かい側の家に引っ越してきた妖が見える綺麗な男性に会ったことを雛に話していた。


伊「原田さん」

実「あっ伊佐山先輩・・・」

伊「ちょっといいかな」

『あっじゃあ私ゴミ捨ててくるね』

実「うん。ごめんね」

『大丈夫大丈夫!』


ごみを捨て終わって実沙緒の元に戻ってみると・・・


『あれ?』


伊佐山先輩と実沙緒が気絶していた。


『匡ちゃん久しぶり。何があったの?』

匡「実は・・・―――」


匡は手短に事を話した。
【匡】とは昔実沙緒の家に引き取られる前に会った妖・烏天狗の名だ。


『仙果の姫?じゃあ実沙緒はこれまで以上に妖に狙われることになるの?』

匡「あぁ。」

『そんな・・・』


雛は悲しげな顔をして俯いた。


匡「大丈夫だ。実沙緒を守るために俺は戻ってきたんだから」

『ていうか実沙緒の幼馴染って匡ちゃんのことだったんだね』

匡「あぁ。実沙緒は俺のこと忘れてたけどな。10年もたったから仕方ないのかもしれないが」


匡は少し悔しそうな顔をしながら苦笑した。


『!・・ふふっ。匡ちゃんは実沙緒が好きなんだね』

匡「うるせっ」


その後、匡は実沙緒を連れ帰り、雛は伊佐山を【寝ていたのを発見した】ということにして起こして帰った。
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