BL

□第一夜*支配人
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支配人

気が付くと僕はホテルにいた。

「やあ、待ってたぜ翔!おかえり!」

軽快な少年がそう僕を出迎える。なんで名前を?僕は彼と面識はない。

「疲れたろ?今日は休めよ。今部屋を用意するな!」

そう言い、少年は僕をロビーに残し去って行った。
ここは、どこだろう?確か僕は仕事場から家へ帰ろうとしてたはずなのに。帰り道にこんなホテルはない。

「ぎゃああああああああああ!!!」
「!??」
「待たせたな、じゃあ案内するぜ!」

叫び声に思わず後ずさると同時に、なにか赤いものを付けた少年が戻ってきた。
そのかわらない笑みに、僕はついていくしかできなかった・・・。

「翔の部屋は205、ここだ。他の部屋の客に干渉するのは薦めないぜ?わからなくなったら俺にきけよな!」

どこも部屋の内装は同じだろうけど僕のどんぴしゃりな好みな内装に閉口する。
キョロキョロ見渡せばどす黒く染みがこびりついた一角。
僕は吸い込まれるようにクローゼットへ手を伸ばした―

「おっと!駄目だぜ〜翔!見る勇気があるならいいけどさ」

―僕はクローゼットから離れ、とりあえず寝ることにした。
もうねてしまいたい…。その一心で。

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