連載第2回



僕はピエロだった。
ピエロは笑う。
だから僕もワラウ。
アナタ が 笑えるように
アナタ の いない公園で
ワラウ


半透明のビニール傘を流れ落ちる雨…
流れを支える鉄の梁…
ああ、まるでサーカスのテント
僕は梁の上を危うく渡る。
はらはらと舞う雨。
ぱちぱちとそれを受ける、僕のビニール傘。



ゴミ。
カワイソウだね、君は誰にも必要とされてないんだろう?
僕は人を笑わせる事ができる。
人は例えば僕を笑いながらポップコーンを食べ、
そして、あとは君だ。
僕の事を思い返しながら、ゴミ箱に放り込む。
瞬間、君はゴミになる。
カワイソウだね
君は誰かを笑わせる事ができるかい?


カワイソウね (風がヒラヒラと紙きれを動かす)
あなたは、私達を見て笑えないのね。
(風がヒラヒラと紙きれを)
ピエロのくせに (ヒラヒラと)


僕は わらった。


ほら、だからあなたは、いつもそうやってワラウのよ。
 あなたが笑わずに 誰が笑うの
 カワイソウなピエロサン
 しあわせに なりなさい



雨は降りツヅク。
僕はオモチャの中に逃げ込んだ。
雨が、頬のケショウを流すから。
でも、ここはどうにも迷路のようで、(メイロのようで、)
出口が、 見つからないんだ。


しあわせに なりなさい

笑って みせなさい

笑って

笑って

(ヒラヒラ) ヒラ



僕はピエロだ。
でも、それ以前に にんげん だったりして。

あなたが笑えるように
僕は、




ぱらぱらと雨が舞い込んできた。
前を向けば

――あ、 見つけた。




(ヒラ ヒラ ヒラ)
       




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