Beauty & Beast
□第3部
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『ガチャッ』
「お父さん……。」
「えっ?みのり…?」
お父さんの住む古い一軒家。
私は、とりあえず必要な物を詰めた大きなバッグを、ドサッと床に落とした。
「どうしたんだい?そんな荷物を持って…。」
居間でテレビを見ていたお父さんが、心配そうに玄関に駆け寄ってくる。
「坊ちゃんは?」
「…帰れって。」
「え?」
「……帰れって言われた。」
止まったばかりの涙が、また溢れてきて、
私はお父さんに支えられながら、大粒の涙をこぼした。