賢者の石
□魔法薬学の授業(中編)
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大広間で食事を取った後、1時間目は魔法薬学という事で私達は地下牢に来ていた。
授業開始時間にはまだかなり時間はあるため、中にいる生徒は私達だけだったけど。
流石地下にあるとはいえ、他の教室と比べて気温が低い気がする。
しかも、周りに置いてあるガラスの中には得体の知れない物(多分ホルマリン漬けの何か)があり…中々良い味を出していた。
「なー、おれたち早く来すぎじゃね?」
カケルはまだ眠いのか、大きな欠伸をした。
「確かにそうだけど遅刻するよりは良いわよ。」
『その通り。カケルっていつも遅刻ギリギリだったじゃん』
そう言うと、そんなことねーよ!と返ってくる。いやいやいや、それこそありえないよ。
『とりあえず座ろうか』
未だに騒いでいるカケルを横目に、私は一番後ろの机に教科書を置いた。
一番後ろなら先生の話も聞きやすいし、何より落ち着いて授業が出来るから。
「おれも座るーっ!」
「何言ってんのよ、あんたは私の隣だからねっ」
「あったりめーだろ!」
二人はお互い言い合いながらも、私の隣に教科書を置いた。
…あぁ、やっぱり幼馴染って良いなぁ。