賢者の石

□入学式 〜宴〜
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 「スネイプ先生って、闇の魔術に凄く詳しくてクィレルの席を狙ってるらしいよ」


闇の魔術・・・か。

私はもちろん使った事も無い。それ以前にこの世界の事もあまり知らなかったから。

賢者として、自国の魔法は闇の魔術でも知っておかなければならなかった。

でも、先生の場合は違う。

・・・・何か、あったのかな。









あまり深く考える事はやめにしよう。

ここは祝いの席だし。

それにしても生徒がこんな事知っていて良いのだろうか?

あの先生は自ら公言する様な人でも無さそうだし。



「ヒナコさん、どうしたの?」
りんねちゃんが、心配そうに聞いてきた。


「ううん、何でも無いよ。」

















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

デザートが消えてしまった所で、校長先生がまた立ち上がった。

「全員よく食べ、よく飲んだことじゃろうから、また二言、三言。 新学期を迎えるにあたり、いくつかお知らせがある。 一年生に注意しておくが、構内にある森に入ってはいけません。これは上級生にも、何人かの生徒たちに特に注意しておきます」

「管理人のフィルチさんから授業の合間に廊下で魔法を使わないようにという注意がありました。じゃが、アルカディアから来た生徒には『ある場合』なら魔法の使用を許可します」

『ある場合』。勿論ゼノンのジャイロゼッターと戦う時だという事かな。

「今学期は二週目にクィディッチの予選があります。寮のチームに参加したい人はマダム・フーチに連絡して下さい」

「最後ですが、とても痛い死に方をしたくない人は、今年いっぱい4階の右側の廊下に入ってはいけません」

ふ〜ん、なるほどなるほど・・・

『と て も 痛 い 死 に 方』って何の事かな?

私はちゃんとこの耳で聞きましたよ!

これって笑って良いのか良く無いのか分からないんだよね。

隣にいたハリーとカケルは笑っていたけどね。うん。

「まじめに言ってるんじゃないですよね?」

「いや、まじめだよ」

あれ、まじめだったんだ!

「へんだな、どこか立ち入り禁止の場所がある時は必ず理由を説明してくれるのに・・・・・森には危険な動物がたくさんいるし、それは誰でも知っている。 せめて僕たち監督生にはわけを言ってくれてもよかったのに」

確かにそうだね。後で先生に聞いてみようと思ったけどやめる事にしよう。
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