賢者の石

□入学式 〜組み分け〜
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「うわぁ!」

目の前には凄い光景が広がっていた。
いや、だってさ! 何千ものローソクが空中に浮かんで、天井がプラネタリウムみたいになっているんだもの!!

「あれは、本当の空に見えるように魔法が掛けられているのよ。『ホグワーツの歴史』に書いてあったわ。」
隣にいた女の子が言ってた。詳しいなぁ。

「へぇ、そうなんだ。」
そういえば、書いてあったような・・・

そうしているうちに、私達は教員テーブルの近くまで来ていた。

私が会った事のある先生や、休暇でいなかったのか見た事の無かった先生達もいた。
校長先生と目が合ったのでニコリと笑って軽く会釈をすると、ウインクで返された。

他の先生といえば・・・相変わらず不機嫌そうなスネイプ先生くらいかな。

スネイプ先生は私の前にいる黒髪の男の子の方を見ているようだった。
偶然目が合ったので先程と同じくニコリと笑って(微笑むの方が正しいが)みると、向こうの方から目を逸らされた。

マクゴナガル先生が私達の前に四本足のスツールを置いたので、慌てて視線を戻した。

椅子の上には魔法使いが被るようなとんがり帽子(しかしつぎはぎのボロボロで汚かった)が置かれた。


これから何が起こるのだろうか?
もしかして手品とk(省略)
・・・とその帽子を見ていると帽子が変な感じに動いて、つばのへりにある割れ目が口のように開いて、帽子が歌いだした。




『私はきれいじゃないけれど

 人は見かけによらぬもの

 私をしのぐ賢い帽子

 あるなら私は身を引こう

 山高帽子は真っ黒だ

 シルクハットはすらりと高い

 私はホグワーツ組み分け帽子

 私は彼らの上をいく

 君の頭に隠れたものを
 
 組み分け帽子はお見通し

 被れば君に教えよう

 君が行くべき寮の名を

 
 グリフィンドールに行くならば

 勇気あるものが住まう寮

 勇猛果敢な騎士道で

 他とは違うグリフィンドール


 ハッフルパフに行くならば

 君は正しく忠実で

 忍耐強く真実で

 苦労を苦労と思わない

 
 古き賢きレイブンクロー

 君に意欲があるならば

 機知と学びの友人を

 ここで必ず得るだろう


 
 スリザリンではもしかして

 君はまことの友を得る

 どんな手段を使っても

 目的遂げる狡猾さ

 
 被ってごらん! 恐れずに!

 興奮せずに、お任せを!


 君を私の手にゆだね(私は手なんか無いけれど)
 
 だって私は考える帽子! 』


歌が終わると大広間は大きな拍手に包まれた。
組み分け帽子は四つのテーブルにそれぞれお辞儀をして、静かになった。



「なんだ、あの帽子を被れば良いだけなのね」と、隣の女の子は言っていた。

まぁ、試験があるよりは帽子を被るほうが幾分かはマシだね。 でも、それぞれ生徒に対して欲求が多いような気がする。
何一つ寮に当てはまらなくて、はいさようならだったらどうしよう。

すると、マクゴナガル先生が長い羊皮紙の巻紙を手にして前に出た。
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