賢者の石
□超速変形!!
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という事で、腕を思いっきり掴まれて連れて行かれそうになった挙句に大声も出した努力もあえなく、先生の私室に強制連行されてました。
部屋に、緊張した空気が張り詰めている。
ど、どうしよう! こんな空気この前振りだよ! やばい、本当にどうしよう。
そんな事はさておき、先生は私の前で薬の調合をしている。
あぁ、どうしよう。
今の私の状況はまるで死刑執行を待っている死刑囚のようでもあり、蛇に睨まれた蛙のようでもあり、サンドバッグのよ・・・これは無いか。
中に怪しい液体が入っているカップを持って、先生はやって来た。
嫌な予感が!
「あの・・・もしかしてそれを腕に塗る訳じゃ・・・」
すると、先生は意地悪そうな笑みを浮かべて言った。
「ほぅ、よく分かったな。」
やっぱりそうだったよ!! どうしよう、殺される!
いや、そんな事ないよね。絶対ないね。
そんな薬を腕に塗ったら、魔法で治す所じゃない!
「何をしている? 早くそこに腰かけたまえ。」
「うぅ・・・はい。」
〜数分後〜
「ありがとうございました。」
塗ってもらった薬は、そこまで染みる物じゃなかった。 痛みに慣れていると、こういう風になる物なのかな?
いや、違う。
きっと薬を調合する時にでも、何らかの工夫がされてあったのかも、しれない。
やっぱり、魔法薬学は奥が深いね!
先生に礼を言って、ドアに手を掛けたその時。
「無茶をするな。」
そう聞こえた。
「はは・・・ありがとうございます。」
ドアは、静かに閉まっていった。