賢者の石
□新たな旅立ち
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赤名先生の連絡でオペレータールームに来た私達を待っていたのは、久石総司令だった。
「君達にここに集まってもらった事には、訳がある。」
そこに、シュン君が反応する。
「ジャイロゼッターの海外進出についてで
すよね?」
「勿論そうだ。 説明しよう。 私達が君達を海外に送り込むのも、ゼノンの動きが原因となっている。」
やっぱりそうだ。 あれ?私達って最近ゼノンに振り回されっぱなしだったような・・・・よし、頭が痛くなってきそうだからこれ以上考えるのは止めよう。
「ゼノンの動きが、ヨーロッパ大陸のイギリスという場所で活発になっているという事が我々の捜査で明らかになった。 そこで我々は、イギリスで協力者を探そうとしたのだ。」
「そこで見つかったのが・・・
「魔法学校の校長だったのだ!」
と、久石総司令の言葉を遮ってクロード博士が。 あれ、どこから出て来たんだろ?
「クロード博士!? 来ていたのですか!」
「いやぁ私も最近出番が無くてなぁ。 すまんすまん(笑)」
博士・・・・
「まぁ、そういう事で君達にはその魔法学校に7年間在籍してもらい、ゼノンを倒してほしい。」
「「「「「!?」」」」」
魔法学校!? 何それ、美味しいの?な私達にとってその言葉はとても以外な物である。
驚きの余り言葉が出ない私達を博士が宥める。
「大丈夫だよ。向こうにいる間は君達が持っているジャイロコマンダーでいつでも連絡が取れる様にしてあるし、ゼノンが出現した場合にはオペレーターが情報を送ってくれるからな。」
そして、どこからともなく現れたサキさんも言う。
「そうよ。それに、向こうにいたとしてもこの世界の時間軸とは少しずれているから年をとる訳でも無いわ。さぁ、安心して行って来なさい。」
時間軸が少しずれているってどういう事だよ!? 私がニノ国から来た時と全く同じなん
て訳じゃ・・・
「総司令、転送の準備が出来ました! いつでも可能です!」
オペレーターさん、幾ら何でも早過ぎです!
私、まだ心の準備が・・・
「そうか、ご苦労だった。 では君達、そこにある台に乗ってくれ。」
え・・・まさか台ってそこにあるどうみても3人位しか乗れない奴じゃ・・・
「さぁ皆、乗るんだ!」
博士、そんなキラキラした目で見られても・・・っておい!
「へへーん、一番乗りだぜ!」
そう言って台の上でガッツポーズをとるのはカケル。早い早い。
全く、カケルは・・・
「カケル、早いって。 ねえ、って・・・・皆!?」
「カケル、これは勝負ではない!」
「なんや案外狭そうやな」
「ちょっと、ミッチーあんた詰めなさいよ!」
「ううう・・・苦しいです。」
何か頭痛くなって来た・・・
治まりそうに無い頭痛に頭を抱えながら、台に乗る。
「転送システム、作動!」
総司令の言葉を合図に機械音が流れる。
「タダイマヨリ、転送ヲ開始サセテイタダキマス。 ミナサン、シートベルトヲ着用シテ下サイ。」
シートベルトってどこだよ!!
「カウントダウン、3・2・1」
その瞬間、大きな爆音が聞こえたのを最後に私の記憶は途切れた。