Tales of yield L 〜二人の王と夢見の絆〜

□-序章-
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カピィ「世界の終わりを指し示された日。人間と精霊が力を合わせて負を打ち破った。その日を持って、混沌の時代は幕を閉じた。そして終わりと同時に、目覚めようとしている生命が二つ。この二つの生命が、新たな危機の予兆を意味していた」

カピィ「新たな時代を迎えたこの世界に、祝福があらんことを」

カピィ「Tales of yield L」

カピィ「これは、新たな絆と、二人の王の物語」

(レヴォネ繁華街)

キーユ「…ふー……」

イスラ「キーユ陛下!」

キーユ「…おう、イスラか」

イスラ「…仕事サボってどこにいると思ったら…何してんのよ」

キーユ「息抜きだ。いいぞー水煙草」

イスラ「今すぐ城へ戻りましょう帰りましょう」

キーユ「いだだだっ!!服と髪を一緒に引っ張るな!!いったい!!!」

イスラ「…後でレクチェルに引き渡さなきゃダメね」

キーユ「それだけは!!!それだけは勘弁してください!!!」

イスラ「はぁ………もうすぐ"あっちの戴冠式"だってのに。用意は済ませてあるの?」

キーユ「無論だ、そちらは既に済ませてある」

イスラ「その勢いでほかの仕事も済ませちゃってください陛下」

キーユ「……なぁイスラ」

イスラ「何よ」

キーユ「あっちの新しい王様の指導を」

イスラ「やれってんでしょ?分かってるわよ!…話っからそのつもりよ。アイツ、絶対ヘマしそうだし」

キーユ「若いのに王とは…荒れるぞ〜」

イスラ「あんた楽しそうね…」

キーユ「その代わり新しい何かが生まれやすい。あの国、変わるぞ」

イスラ「だといいけど」

キーユ「…さて、そろそろ戻ろうか。戴冠式までに他の面倒事を片付けるぞ」

イスラ「誰のせいでここまで来てると思ってんのよ………はいはい、仰せのままに」

(間)

レクチェル「どこに行ってたんですかねえ陛下」

キーユ「………イスラ」

イスラ「アタシは知らないわよ?自業自得ね」

キーユ「おま、お前」

レクチェル「陛下、仕事たっっぷりとありますので。そのおつもりで」

キーユ「鬼……うわっ?!」

レクチェル「何か?」

キーユ「魔弾のレクチェル……わーったよやりますとも!!」

レクチェル「イスラ」

イスラ「?何?」

レクチェル「客人だ。応接室で待たせている。行ってやれ」

イスラ「?分かったわ」

(間)

ラフラ「イスラさーん!」

イスラ「わっ!…ラフラ!?」

ラフラ「お久しぶりです!!イスラさん!」

イスラ「あはは、元気にしてたかしら!」

ラフラ「もちろんです!学校も卒業しましたし、後は戴冠式に望むだけです!」

イスラ「あんたのじゃないでしょ、そんなに張り切っちゃって…」

ラフラ「…実は、戴冠式の魔術演出の一人に選んでもらったんです」

イスラ「まぁ!それは凄いじゃない!!優秀な魔術師でも選ばれるのはごく一部でしょうに!」

ラフラ「えへへ……新しい王様のために頑張っちゃいました」

イスラ「…まぁ、気持ちはわからなくもないわ。アタシも指導に選ばれて行くのだし」

ラフラ「…一緒に戦った、仲間ですし…一番近いところで祝ってあげたいんです」

イスラ「…平和になったわね、この世界も」

ラフラ「…あの二人のおかけです。きっとあの人たちがいなかったら世界は…」

イスラ「間違いなく終わってたわね」

ラフラ「……でも、終わりませんでした。ここからが本番なんです。きっと」

イスラ「そうね。……世界樹で眠ってる"彼"はいつ起きるのやら」

ラフラ「早く起きるといいですね…その時は」

イスラ「ええ、新王より派手にお祝いしましょ!」

ラフラ「あはは…はい!」

ラーラ「ラフラ〜!」

ラフラ「ラーラ!」

ラーラ「そろそろ時間だよ〜!」

ラフラ「!そ、そうですね!ありがとうラーラ」

ラーラ「えへへ」

ラフラ「じゃあ、イスラさん」

イスラ「ええ、またね。ラーラも」

ラーラ「うん!またねイスラ!」

イスラ「あの子も成長して、立派になったわね…アタシも頑張らないと」

(間)

(ヘリオス 王子部屋)

レムス「…………」

ルチェ「…殿下」

レムス「………覚悟決めろってんだろ……」

ルチェ「はい。そろそろご準備を」

レムス「……すー、はぁ……よし、…なぁ」

ルチェ「?何か」

レムス「俺、王様ちゃんとできっかな…」

ルチェ「…できますとも。ここまでの努力、私、ルチェが見届けましたから」

レムス「さんきゅなルチェ。これからもよろしく頼む」

ルチェ「はい!…陛下」

レムス「!……なんだか、恥ずかしいな」

ルチェ「慣れてください」

レムス「お、おう…」

タゥル「失礼するよ」

レムス「?!タゥル?!」

タゥル「機械の最終チェックしてたんだが…主役が来なくて皆待ちくたびれてましたよ」

レムス「やべ」

タゥル「はぁ……本当に王様になれるんですかねこのバカ王子」

レムス「バカって言うな!」

タゥル「やれやれ……では陛下」

レムス「!」

タゥル「王の間へ。皆がお待ちです」

レムス「……ああ」

レムス「行くぞ、俺達の、インフェルノの未来を迎える始まりの時へ」
 

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