Ulquiorra☆Orihime

□いっそ忘れてしまいたい
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今日は十月三十日、ハロウィンだ。


一緒に来れる人も見つけられないまま、一人で渋谷にハロウィンの飾り付けとかを見に来た。

それにしてもいやに人が多い。

人混みなんて歩き慣れていない私は、人とよくぶつかってしまう。

ガツンッ

痛ったぁーー
「あ、ごめんなさい!」
またぶつかってしまった。

ふと、ぶつかってしまった人を振り返るとあまりの驚きに声が漏れてしまった。

「…え?」

その人は確かにあの人に似ていて…


そんな訳はないか。あの人はもういないのだから。

「いや、何でもないです!ごめんなさい!」

じっと私に見つめられ、困ったような顔をしたその人に謝り自笑する。


また少し歩くとハロウィンの飾り付けに凝っている小洒落たお店を見つけた。

中に入る。

可愛いカボチャの飾りに一目惚れしレジに持って行く。

「350円です。包みますか?」店員が言う。

別に誰に渡すという訳ではないけれど、どうせ値段も変わらないことだし、と包んでもらうことにする。

「はい、じゃあ包んで下さい。」

その時、ふと視界にレジに飾ってあった悪魔の飾りが入る。

それは帰刃したあの人にひどく似ていて…



「あ、あの〜」

店員の困ったような声がする。
ぼーっとしてしまっていたようだ。

「す、すみません!」

慌ててお金を差し出した。

ダメだな自分は。




ねえウルキオラ
私は一生貴方のことを忘れないよ
忘れられる訳がないよ

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