高黒

□[18]運命の真実ーtruthー
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「黒子がずっと大切にしていたメモリーカードと同じもの」に、高尾がメッセージを入れた。

勿論誰も何も、高尾にはメッセージの内容は話していないけれど。

「テッちゃんがいなくなって、辛くて堪らなくて、俺みっともねーくらいすっげぇ真ちゃんの前で泣いた」

「テッちゃんが迎えに来てくれて嬉しかったよ」

「俺、全然後悔なんてしてねーかんな。すっげー幸せー!だから早く、あの日の俺を迎えに行ってきてよ」

「俺の「未来」にも、テッちゃんはちゃんといるよ」

「テッちゃん、愛してるよー!」

黒子が見たあのままのメッセージで。

側に黒子がいたせいもあり、高尾はずっと黒子を見続けていて、それはとても優しい笑顔で。

黒子はそれにたまに突っ込みを入れながら、たまに赤面しながらも最後まで聞いていた。

途中「馬鹿ですか」と少し声が入ってしまったけれど。

「よし、これで完了だな」

『マスター、セットアップ終わったー』

「ご苦労様、ヴィオ」

例のトラップを仕掛けて。

「まあ、散々悩みまくってくれ、2年前までの僕」

赤司も「過去の自分」にそう言って。

「さて、僕の可愛い天使達と和成は揃ってどこに行った?パスワードを設定するのは和成なんだけれど」

「赤司君、パスワード知ってるんでしょ?赤司君が設定すればいいじゃない」

至極もっともな桃井の言葉に、赤司は笑いながら首を横に振る。

「僕じゃだめなんだよ。あのパスワードは、和成のテツヤへの想いそのものだから。例え僕達が知るパスワードとは違うものになっても、きっとそれに込められた思いは変わらない」

「そっか。そうだ、皆ならきーちゃんの部屋(ラボ)だよ。何でも、メッセージ録画し終わったら高尾君髪染めるって事になってたらしくて、セットアップに時間がかかるならその間にって」

「そ、「赤司っちー!」」

そう、分かった。と赤司が返事をしようとしたのを遮って、赤司の天使の1人―――もとい黄瀬が慌てたようにバタバタと戻ってきた。

「どうした涼太、そんなに慌てて。和成の髪は染め終わったのか?」

「今からっス!今からなんスけど、今、高尾っちには何色がいいかなと色々合わせてて、黒子っちと同じ水色は何か違う感じになって、赤司っちと同じ赤も何か違くて、」

「何も僕らの誰かと同じ色にする必要はないんじゃないか?」

「だってせっかく変えるなら、誰かと同じのがお揃いで楽しいじゃないスか」


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