高黒

□[14]合宿4日目*tell*
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「……――最下位は残念、蟹座のあなた。隠し続けてきた秘密が一番バレたくない相手にバレちゃうかもしれないから、うっかり発言には気をつけてね」

このおは朝占いに。

(何、だと……!?)

びしぃと緑間の眼鏡にヒビが入った、合宿最終日の朝。

「ラッキーアイテムは……」

そしてそのラッキーアイテムにも再びびしぃとヒビが入る。

「……を持てば大丈夫!あなたもきっと心強くなるはず!」

(俺が懸念してるとおりだとすればそれはただの駄目押しなのだよおおお!)

「真ちゃん、今日の蟹座のラッキーアイテム何だった?」

ひょいと後ろから覗いてきた高尾に、緑間は条件反射のようにぷつっとテレビを消す。

「おまえには関係ないのだよ」

「何で今テレビ消した」

「おは朝占いが終わったからに決まっているのだよ!」

そんなに見たければ自分でつけろと高尾にリモコンを押しつけて、緑間は部屋を出ていく。

恐らく、合宿初日に「わがまま3回分」をまるまる使って借りた、ラッキーアイテム専用の部屋にラッキーアイテムを取りに行くのだろう。

「……なーんで隠すのかなー?」

リモコンに隠れた口元は、笑っていた。




「テッちゃーん!」

すぱーん!と障子を開け放つ小気味のいい音と共に響いた声と満面の笑みに、黒子はきょとんと見上げ日向と皆を起こしに来ていたリコは苦々しい顔をする。

「和君いえ高尾君どうしました?」

「何で今言い直したの」

「すみません、公衆の面前での条件反射で」

「ふうん?まあいいや、風呂いかね?」

「火神君が一緒でいいなら」

「何で!」

「だって君、皆にバレた事で開き直って変な事しそうですし。ねえ?火神君」

「俺に振るな俺を巻き込むな、そろそろ俺をてめえらの事情から解放しろ」

高尾に肩を掴まれガクガクと揺さぶられながらも、いつもの無表情で火神を見る黒子は、やっぱり皆に知られた事で肩の荷が下りたかのようにその雰囲気は柔らかい。

「なーテッちゃん行こうぜ?今日で最後だし」

「……分かりました。行きますから離れてください」

「あ、火神は来なくていいから」

「行かねえよ!」

高尾は終始楽しそうに笑いながら、黒子もその笑顔に絆されたのか少し笑みを漏らして、部屋を出ていった。

2人の(声は高尾のしか聞こえなかったが)楽しそうな笑い声が聞こえなくなったところで、リコが盛大なため息をつく。


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