高黒

□[3]合宿1日目A*target 火神*
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今まで気に止めた事はなかったが、意識して見てみると火神と黒子は本人達が自覚してる以上に仲がいいと、皆思う。

たとえば、休憩時間。

「あ、ドリンク切れてら」

「火神君もですか?ボクも切らしたので今買いに行こうと思ってたんです。ついでに買ってきましょうか?」

「いや、ついでなら一緒に行くわ。ここ俺がいつも飲んでるやつねえから、お前迷うだろ」

「そうですか?でしたら行きましょう」

「おう」



たとえば、練習中。

「黒子、お前ばてる前に水分補給しろよ」

「火神君は取りすぎです」

「おめーとは運動量がちげーんだよ」

「汗垂れ流しもどうかと思いますし、ちゃんと拭いてください。はい、タオル」

「サンキュ」



たとえば、練習終了後。

「黒子、わりーけどもう少しパス練つきあってもらっていいか?」

「シュートじゃなくてパスですか?火神君が珍しいですね」

「何だとこら」

「嘘です。ボクでいいなら構いませんよ」




たとえば、

「……皆さんお揃いで何やってんスか?」

火神と黒子の様子を観察していた日向達誠凛のメンバーは、後ろからかけられた声にびくっと肩を揺らす。

「びっくりした、黄瀬君か。いや、火神と黒子仲いいよなと思ってね」

「そうなんスよね。黒子っち、俺と仲いいのは否定するけど火神っちと仲いいのは否定しないし」

ちょいジェラシーっス、と黄瀬も日向達同様座り込む。

「黄瀬君はどう思う!?」

「はい?」

「黒子の恋人。火神は黒子が誰と付き合おうが興味ないとか言ったけど、もし恋人が火神なら話は変わってくると思うんだ!」

「馬鹿コガ、ボリューム落とせ」

興奮気味に話す小金井の頭を、伊月がベシンと叩く。

「つまり、自分が恋人だとばれないために火神っちはわざと興味のない振りしてるかもって、そういう事っスか?」

「そうっ」

同意見なのか、隣で水戸部もコクコク頷く。

「うーん……それはないと思うっス」

「何で?」

「だって俺が黒子っちに抱きつこうが何しようが動じないし、火神っちに言われたんス。「黒子に恋人出来たって聞いたけどお前だろ?」って」

「え、そうなの?」

「さらに赤司っちにまで「まさかお前じゃないだろうな」って言われて、そう勘ぐるくらいに仲いいって思われてるのに選んでもらえてない現実に俺のガラスよりももろいハートはもう粉々なんス……!」


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